3巻完結で、ストーリも何もかも綺麗にまとまった作品
どんな時でも前を向いて
幸せな毎日から一変、容姿も人間関係も全て正反対のクラスメートと入れ替わってしまった主人公。誰もが悲しみにくれてしまうような状況で、泣いたりすることはあっても元に戻れる方法を懸命に探す主人公の芯の強さが描かれています。決して人を責めずに自分の力で突き進む。人の助けには感謝する。陰気な見た目とは全く正反対の、明るい性格の主人公が中に入ることで、新たな一面をクラスメイトにみせることになる。うつむかずに前を見る主人公は見た目は違っても主人公の内面の強さをみせてくれます。
今まで気づかなかったこと
順風満帆だった主人公は、入れ替わることでそのクラスメートがどんな状況に置かれているかに気づきます。ある意味この入れ替わりは主人公にとって違うアングルで物事を見るチャンスを与えてくれることになります。また、入れ替わりは相手の感情でさえも体験させてくれることになります。人から愛されること、無視されること、友達といること、お互い経験したことのなかった感情を持つことで、2人の中に変化が生まれてきます。家族の温かみや愛を求めているクラスメイトは元に戻りたく無いと強く願い、主人公は元に戻りたいけど、そんなクラスメイトも助けてあげたいと思う気持ちも生まれます。
見た目?内面?、光と影
一番大切なのは見た目?それとも中身?私たちが常に問いかけ続けていることです。容姿も性格も何もかも全てが正反対たった2人はまさに光と影。クラスメイトは主人公はかわいいから綺麗事が言えるんだと言います。元に戻って主人公は損することは何も無いけれど海根さんはまた影の世界をいきることになる。常に影を生きてきたクラスメイトにとって主人公はどうしてもなりたかった光の存在。しかし、影が光の中に入った時その影は眩しい光でさえ取り込んでしまいそうになるのです。どうしてもひねくれた考えたしかできずまわりとの人間関係もダメにしつつあります。逆に影の中に入った主人公は内面から輝くその光で闇を照らし、明るくしていきます。友人もでき、楽しく笑う主人公。入れ替わってもなお、正反対の2人。結局は見た目が変わろうと、自分自身が変わろうという努力をしないかぎり、内面の美しさにはかなわないのです。元に戻ったと言っても同じ状態ではなく、よりよい状態になっています。友達ができ、母親ともわかりあえたクラスメイト。影から光へと導く強さを持った主人公はまさに夜空を照らす明るい星のような存在です。
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