バキ、少し違う視点からの考察
最凶死刑囚編、主人公より強いかもしれないキャラクター達!?
この章で、もしかすると範馬勇次郎の他にも主人公のバキより強いのではないかと思うキャラクター達がいる。
まずその1人に挙げられるのは、伝説の喧嘩師、花山薫だ。その要素として、彼は前作、グラップラー刃牙でバキと一度闘っているが、きちんとした決着はついていないように思える。最大トーナメント戦では愚地克己戦で敗れたものの、3度は自分に勝つ機会があったと克己自身も語っていた。そして今回、バキに不意打ちを仕掛けたうえに、その姿とやり方に勇次郎を連想させたスペックを相手にして無呼吸打法の連打と卑劣な武器攻撃を受けきり、己の素手のみで見事誰よりも早く死刑囚の1人を倒した事が大きい。
次は、怪力無双、アメリカ1強い男、ビスケット・オリバである。彼の筋肉は作中でもトップクラスの圧倒的大きさを誇る。その強さは勇次郎も認めていて、見た目とは裏腹に知識も豊富だという事がわかる。最大トーナメントには出場していないものの、もし仮に出ていれば彼が優勝していてもおかしくはないだろう。あの大胆で力任せな彼独特の闘い方にはどこか美しさを感じて憧れたことを覚えている。
花山、オリバの描写はあまり多くはなかったが、その中でも充分にバキと同格以上の強さを魅せた戦士であった。
中国大擂台賽編、色々予想の斜め上を行く!?
この大会まず思い出して頂きたいのは、これは本来海王の称号を持つ中国拳法家達が海皇になるための大会だということ。しかし今回の擂台賽、何故かバキや勇次郎、アライJr、オリバなど強者が多数出場してしまったために、大会の趣旨が完全に変わってしまっているのである。個人的に、烈海王、郭海皇以外の中国拳法家からしたら、圧倒的にレベルの違う外国人が数人出場してきたために、海皇にもなれず、選手によってはひどい負け方をするという結末になってしまい、踏んだり蹴ったりである。なかでも中国拳法の圧勝を確信していた劉海王の負け方はあまりに衝撃的であった。
次に烈海王についてだが、今回改めて彼の強さがよくわかる描写が多々あった。しかしここでも1つ、烈がとんでもないことをしている事に気づいて頂きたい。烈はバキの解毒のために中国に連れてきたわけだが、恐らく彼の考え方としては、李海王とあたって解毒させる。というようなものだろう、しかし、もし仮に1回戦で李にあたらなかったらどうなっていたか、と。李海王戦でバキは血まみれで、簡単にいうと死にかけていたわけだが、李の実力は他の海王と変わらないだろう。すると、万が一1回戦で李にあたらず、他の海王とあたっていたら、バキは終わっていただろう。それを覚悟してバキに擂台賽に出場させた烈も、そして同時に梢江も、やはりぶっ飛んでいるのである。
擂台賽編で最後に語るべきは、やはり郭海皇であろう。あれほどオーガを苦戦させた人物は、刃牙シリーズ全てを通しても珍しいだろう。冷静に考えれば、郭海皇が勇次郎戦で使用した技は消力のみだが、中国拳法そのものと言えるほどの実力なら、鞭打などの技術もとんでもない力であることが予想される。しまいには老衰死からの復活、言い方を変えれば死をも使いこなすようになったのだから、やはり最強の男の1人には数えられる人物であることは間違いない。
神の子激突編、ほんとに強いのかJr!!
擂台賽では見事な闘いで勝利を収めていったマホメド・アライJrであるが、後半の神の子激突編ではたくさんの描写があるものの、イマイチ活躍に欠けている気がする。
まず激突編の序盤では、バキと試合をするために渋川、愚地に挑み勝利するわけだが、またこれもよく考えると、この2勝をした以降のジャック戦、2度目の渋川戦、愚地戦、父との対決でもあるアライ戦、そしてさいごにバキ戦と5戦しているわけだが、ただの一度も勝てていないのである。アライ戦では1分しか戦えないアライに、手負いとはいえ数発でやられ、そんな数々の敗北を経験して、渋川、愚地から期待されるも、バキ戦では呆気なく殺されかけるという結末に終わっていた。
ここで、Jrは本当に強いのか、という疑問が浮上する。はじめは勇次郎を相手取り全くの怖気を見せないところや、海王を難なく倒してしまい、渋川、愚地をも倒す実力も持つということでかなりレベルの高いキャラクターだと思われた。ここまでは良いとして、ここからが問題なのである。そのまま勢いに任せてトーナメント準優勝のジャックも倒すのかとおもいきや、まさかの敗北、それだけ範馬の血は強いものなのかと思わせる決着。その後ジャックは特に傷を負った様子もなく余裕な表情でその場をあとにした。渋川戦(2度目)では、真剣勝負がしたかったのかと挑発を受け、いとも簡単に敗れてしまう。愚地との闘いでは三分未満で敗れたのがそのセリフからも伝わる。
となると結局彼はどのくらい強いのか、いやそもそも強いのか、と考えてしまう。
最後に、今回はバキの成長がよくわかる作品で、キャラクターも豊富だったのでハラハラする展開ばかりで読んでいてとてもスリルを感じた。
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