グラップラーバキ
この漫画の魅力
この漫画の主人公であるバキ【範馬刃牙】目的は何かというと、父親で地上最強の男である範馬勇次郎を倒すこと。
つまり親子喧嘩の話ということなのですが、あまりにもスケールが大きくて現実とは程遠い話になっています。
男としては、そこが逆に憧れて見てしまう部分なのかもしれませんね。
バキの世界が現実に存在している国や街や施設など、リアリティがある所も魅力の一つですね。
そして親子喧嘩に勝つための道のりの途中で出会う様々な人達もや野獣や中国拳法の使い手、更に原人といった個性派揃いですし、どんどんバキの世界に引き込まれていきます。
父親に挑むバキの心意
バキの最大目標である範馬勇次郎になぜ闘いを挑むのか。
それは母親を殺されたから?
それもあるとは思いますが、僕が思う理由はというと、単なる寂しがり屋の甘えん坊で嫉妬心からくる反抗ではないかと思っています。
母親は息子よりも父親に夢中ですし、父親は息子に対して無関心なのですから当然ですよね。
父親のせいで母親に構ってもらえなかった子供の気持ちと、母親を殺された父親への怒りとでは、父親に母親をとられて構ってもらえない寂しさの方が強く感じられたのは僕だけでしょうか。
でも、母親は最期にバキを守ろうとして勇次郎に殺されたたのですから、やはり敵討ちの要素が大きいのかもしれませんね。
バキ自身は強くなる事を生きがいに思っていくのかと思いますが、キッカケは単に寂しかったからではないかと個人的には思っています。
ですが、いくら寂しくても戦車に勝ってしまうような父親には闘いを挑みませんよね。それでも挑もうとするバキの健気なので気持ちも可愛いと思えて好きですけどね。
印象に残ったベストバトル
様々な人達がバキと対戦していきますが、最も印象に残った対戦相手はジャックハンマーです。
いわゆる異母兄弟の喧嘩ですね。
この闘いは、色々な感情が交錯する闘いでもありますし、同じ目標を持った者同志の闘いてなもあります。この二人は性格的にも似てると思っていて、ジャックハンマーも寂しがり屋の構ってほしいタイプなのだろうと思います。父親に勝つためにドーピングや人体改造までして強くなろうとしたジャックハンマー、こちらも健気ですよね。
この闘いを通じてお互いを理解し、共感してお互いの境遇を慰め合っているように僕には見えてしまいました。
『お互い親父には苦労するよな』という台詞が聞こえてくるようでした。
この闘いの後にも名場面がありましたね。
範馬勇次郎とジャックハンマーが対峙した時の『1日に二度負けるが馬鹿いるか』という台詞は父親としての助言にも感じとれました。
範馬勇次郎という男
この漫画で最も存在感があり最も魅力的なキャラクターと言えば、やはり範馬勇次郎だと僕は思っています。
まずは名前ですよね。
勇次郎ですから次男なのかもしれないと思いましたし、性格的にも自由さ加減が次男なのかと思わせる所もありました。
もし兄がいるなら見てみたいですね。
その他には行動や言動もめちゃくちゃで、一国の大統領ですらたじろいでしまう人物ですから、何でもありの反則キャラですよね。
その反則的な立場から放つ言動には思わず笑ってしまう事も結構ありましたね。
真顔でめちゃくちゃ理不尽な事を言うんですから、笑ってしまうのも当然ですがね。
そんな範馬勇次郎には人間そのものが詰まっている気がしますね。誰しも強大な力があったとしたら、わがままで理不尽な人間になってしまいそうですからね。
ある意味で理想形にも思える範馬勇次郎だからこそ、読者は憎めないキャラとしてファンも多いのだと思います。
範馬勇次郎が息子達の名前に込めた思い
範馬勇次郎の息子であるバキとジャックハンマーには共通点があると僕は思いました。
その共通点とは、どちらも刃物繋がりという事です。
バキは名前に刃という字で刃物を連想させますし、ジャックはジャックナイフという言葉があるように、どちらも刃物をイメージさせる名前になっているんです。
この二人の名前に込めた勇次郎の思いを紐解いてみると、刃となって自分に挑んでこいという意味が込められているのではないかと思っています。
なんか勇次郎らしいですよね。
名前から連想してみると、二人の息子が勇次郎に闘いを挑んでくる構図は、彼等が生まれた時から勇次郎が決めていた事なのかも知れませんね。
理不尽で自己中心的ですね。
バキもジャックも勇次郎にまんまと誘導されているのかと思うと、少し可哀想に思えてきますね。
そう思うと、勇次郎はかなりしたたかな頭脳も持っているやり手という事になりますね。
面白い闘いをする為なら息子がどうなろうと関係なく、何でもするのが勇次郎という男なのでしょう。
二人の息子の名前を勇次郎本人が命名したかは定かではありませんが、こんな勇次郎の親心がこもってたら面白いなと個人的に思っているので、他にも色々な深読みポイントを見つけていきたいと思っています。
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