黒薔薇アリスのあらすじ・作品解説
黒薔薇アリスは水城せとなによる少女漫画。秋田書店「月刊プリンセス」にて2008年から連載され、2011年に第一部(全6巻)が完結している。 物語の最初の舞台は1908年のウィーン。人気歌手だったディミトリはある日の事故を境に、他人を意のままに操る力を持つ「吸血樹(ヴァンパイア)」になってしまう。 そして舞台は現代の東京へ。長い年月をヴァンパイアとして生きたディミトリは寿命が尽きる前に「繁殖」しなければならないという使命を持っていた。その繁殖の交配相手として選んだのが菊川梓。瀕死の想い人の命と引き換えに、梓はディミトリの要求を呑み、ヴァンパイアの交配相手となることを選んだ。 こうして、かつてディミトリが愛した少女・アニエスカの肉体に梓の魂を宿した女性は「アリス」と名付けられ、ディミトリを含む4人のヴァンパイアと共同生活をしながら次代に種を残すのに最もふさわしいヴァンパイアを選ぶことになる。 ドラマCD化もされた。
黒薔薇アリスの評価
黒薔薇アリスの感想
今度は自分が愛されたいと願う悲しい男の物語
不幸を呼び寄せる男ディミトリテノール歌手としてブイブイ言わせていた色気ダダ漏れの男・ディミトリ。1908年のヨーロッパで、自分の歌声をどうにか認めさせるために枕営業もやり、愛する女性を思い浮かべながらがんばる彼。切なげなのがまた色気あるよね…。そんな彼にも親友・テオがいた。テオは、ディミトリがテノール歌手として活躍できるように舞台をセッティングしてくれたり、貴族という身分に囚われずに平民のディミトリに接してくれた唯一の人だった。ディミトリが性的虐待を受けて苦しんでいるときにも乗り込んで救ってやった彼は、まさに救世主。ディミトリにとってのテオは光であり、そして愛する女性・アニエスタの婚約者でもあり、テオのためには引かねばならないと思える、そんな相手だった…。この時点でもはやドロドロの予感。まさかここから転落しまくって闇になるとは思わないよね。ディミトリは場所にはねられて即死・ヴァンパイアの器...この感想を読む
ヴァンパイアになってしまった人間の苦悩と恋の物語
否応なく選ばれてしまったディミトリ1908年。テノール歌手として活躍をしていたディミトリ。自分の仕事をとるために、枕営業もいとわずやってきた彼にも、ずっと愛してきた女性・アニエスタがいました。しかし、彼女は親友のテオの婚約者。テオは貴族でありながら、身分の違うディミトリと対等に接してくれた唯一の人。ディミトリが性的虐待を受けていたときも助けてくれた。ディミトリのテノール歌手としての初めての舞台も、テオが準備してくれたものでした。だけど、彼はアニエスタを大事にしているように見えない彼を、許せないと言う気持ちも感じていました…みんな人間で、男ですからね。そりゃーバカ騒ぎもするでしょう。そんな中で、ディミトリは馬車にはねられて即死…したと思ったら、なんだか有能なヴァンパイアの器として能力を移植されたみたい。蝶がひらひらと降り立ち、能力をうつすと言う演出はなかなか優雅でしたね。ただ人間にかぶりつけ...この感想を読む
ヴァンパイアのおはなし
「黒薔薇アリス」は、「失恋ショコラティエ」で有名な水城せとな先生の作品です。結ばれると死んでしまうヴァンパイアと、その相手の女性の心情を描いた作品になっています。失恋ショコラティエがおもしろくて、黒薔薇アリスも読んで見たのですが思いのほか面白くてはまりました。主人公はディミトリという名前のオペラ歌手なんですがディミトリはある日命を落としてしまいます。そしてヴァンパイアとしてうまれかわります。でも見た目も普通の人とかわらないし、人を襲うようなこともない、十字架が苦手なわけでもなく普通の生活を送れます。でも、ヴァンパイアは繁殖を行ったら死んでしまう・・・というプロローグみたいなかんじで1巻は終わります。進むほど楽しくなってくるので是非よんでみてください。