何度も号泣させられました
スタッフの力量
ドラマ放送当時はキャストに花がないなと思って単純にスルーしていましたが、今年放送の「逃げるは恥だが役に立つ」にハマって次回放送分が待ちきれなくなったので、逃げ恥と同じスタッフで昨年作成された「重版出来!」を見て待ち時間を紛らわすつもりでした。が、この作品にもどっぷりハマってしまいました。脚本の野木亜紀子さんはじめ、スタッフの力がすごいのだと再認識しました。視聴者を飽きさせないセリフ回し、アップテンポの展開、カット割り、小ネタ、素晴らしいチームだと思います。毎回黒木華演じる黒沢心の着ているシャツがかわいくて気になりました。レトロな柄に大きめの丸襟のものなど、主人公の雰囲気に合っていてかつめちゃめちゃおしゃれです。荒川良々さん演じる壬生平太のTシャツも毎回笑えました。シリアスなシーンでもふざけたデザインがいいアクセントになっていました。衣装さんもハイレベルなんですね。
夢を追う者の切なさ
私自身、大きな夢があってそれに向かってずっと頑張っているので後半は毎話大号泣してしまいました。夢を断念せざるを得なかった主人公の心情描写も見事でした。そして同じ目標に向かっていた仲間が諦めて去っていくのを私は何度も経験しているので、ムロツヨシ演じる沼田渡が去っていくときの悲し気な後姿が胸に突き刺さりました。後に普通に結婚して普通に幸せになるのであろう流れも、私の去っていった仲間たちとまったく一緒です。そして連載が決まった時の中田伯のセリフ「生きててよかった。生まれてきてよかった。」にはもう涙腺崩壊で「そうだよねーわかるよー‼」とテレビの前で独り言を言いました。永山絢斗もいい役者になってきましたね。モザイクジャパンの頃までは瑛太の弟のわりに演技がイマイチだなと思っていたのですが、このドラマで私の中の彼の株が上がりました。歳をとってルックスも前より男らしく魅力的になってきたように思います。最終回の冒頭、「夢を叶えたら現実の始まり」というフレーズにも共感しまくりです。走り続けるのは楽じゃなくて、夢見てた状況に置かれてしばらくしたら人は有難みが薄れてくる、すごい現実的でドラマとは思えない設定でした。
小日向文世、まさかの熱演
近代芸術文化省の授賞式での小日向さんの演技がすごかったです。これまでコメディ色が強すぎて、面白い役者さんだなとは思っていましたがまさか小日向さんの演技に涙する日が来るとは思いませんでした。目を輝かせて仕事への情熱を露わにする猫背の初老のベテランに胸が熱くなりました。
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