女の戦いの武器になってしまう子ども - 不信のとき ウーマン・ウォーズの感想

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不信のとき ウーマン・ウォーズ

4.174.17
映像
3.50
脚本
4.00
キャスト
4.33
音楽
4.00
演出
3.67
感想数
3
観た人
3

女の戦いの武器になってしまう子ども

4.54.5
映像
3.5
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
4.5
演出
3.5

目次

正統派女バトル

女の戦いの必須項目といえば略奪愛かなあと、色々考えましたが一番はこれだと思います。条件として夫婦または恋人のいる男性がふらっと浮気や不倫に走ってしまい、女のガチンコバトルが勃発するという典型的な流れに、アダルトな要素を加えた作品です。不倫相手、浮気相手が100%悪いにもかかわらず、完全なる悪者にさせないために、愛人の幼少期の家庭環境から現在に至るまでの苦労をもたせて同情を引いたり、なんの罪もない存在の子どもをバトルに参加させることで一方的な攻撃ができないようにしたりと一筋縄ではいかないちょっと卑怯な設定になっているなあと思いました。このドラマが2006年に放送ということで10年前になるのですが、当時リアルタイムで観ていて、特にラストをよく覚えています。確か男が自分で種撒いて、回収しきれずに死んでしまう無責任さに当時は呆れたなあと思い出しながら改めて観直しました。男性が死ぬことで、取り合っていた存在を失い、バトルしていた女性二人が和解したなあと。ラストを観て思いました。女性の精神的な強さと男性の本能の愚かさに大人は色々と大変なんだと子どもだった自分は、実の両親の平凡さにほっとしたりしました。今では親の立場になりましたし、子どもがほしいという女性の気持ちも理解できます。今では男性の不妊治療や妊活に対する抵抗感はだいぶ薄れてきてはいると思うので、子どもが欲しい人にとってはより我が子へのこだわりは強くなっていると思います。子どもの有無でここまで男女の関係を拗らせてしまうので、やはり子どもの存在の大きさはいつの時代も変わらないなあと実感しました。大人の踏みはずしたままの道のりを強制的に修正する子どものパワーには女性としてのプライドの結晶という意味合いもあるのかもしれません。それでも、一人の人間として、人格として尊重して見守ろうと努力した家政婦の和子さんは本当に偉いなと。少しお節介ではあると思いますが、和子さんも場外で必死に戦っていたんだなと、ラストの児童養護施設で働く姿を見て思いました。

夫婦のあり方

我が家はようやく新婚さんではなくなったのですが、夫婦としてよりお互いを理解し、また相手とうまくぶつかり合わないとこの先乗り越えられないなと実感し始めました。もう勢いもなく家族としての営みが心地よく流れるようになった今、主人のことも他人(悪い意味ではなく)ではなく家族として見てしまうため、まず羞恥心というものが小さくなっているなと。以前は部屋着でさえもある程度しっかりとした服を着ていたのに、最近では起き抜けのまま過ごしていても恥ずかしいとも思いませんし、主人にどう思われようとも気にしません。ただ、主人も同じように変化していて、これを言ったら傷つくだろうなという言葉を平気で私に言ってくるようになりました。本音で言い合える関係といえば見た目はいいですが、配慮がなくなった、それだけぞんざいな扱いでもいいと思われているようで、付き合い当初を思い出しては本当に変わったなあと寂しくなりました。このドラマの浅井夫婦も、夫の無意識の一言が妻のプライドを傷つけ、ドラマの佳境を迎えてからラストまで引きずることになるのですが、妻として夫のそばにいる人に、妻たるものはこれで完璧!でも協力はしないよ。なんて態度と言動で接したらそりゃもう夫失格ですよ。夫婦というひとつの存在になっているのですから、夫婦での共同作業は夫婦二人の責任だと思います。浅井夫婦はあまりにも妻が色々と抱え込み過ぎたと思います。甘える先は近藤さんではなく、夫である義雄だったなと。でも素直に話し合えたら苦労しませんよね。夫婦は難しい。

キャスティング力

松下由樹さんは完璧にはまり役だったと私は思います。あの愛人の迫力が出せるのは大奥で春日局を演じた松下さん以外にいません。お綺麗な方だと思いますし、品の良さも仕草や声色から伝わってきますし、何よりも若くて綺麗だけでは出せないあの色気たっぷりの和装は松下由樹さんだからこそ。法子と接している母性ある雰囲気もやはり流行りの人間だから器用というわけではなく、熟し加減が最適だと思われるベテラン女優さん起用で、その采配は良かったと思います。米倉涼子さんはあまりピンとこないのですが、出来る女性像としてはあっていると思います。服装やヘアスタイルなどがおしとやかな見た目がちょっと無理があるかなあと思いましたが、プライドを持って妻としても書道家としても一歩も引かない姿勢は米倉涼子さんの凛としたイメージに合っているなあと思いました。石黒賢さんも作品によっては真面目な設定だったり、はたまた今作での不倫しちゃうだらしのない役柄だったり、どちらにも染まることができてすごいなあというのが感想です。不倫や火遊びをしなさそうなイメージがよりリアリティを強めたのかもしれません。石田純一さんとコンビのようにいつも一緒にいましたが、その対照的な姿とやはり男性同士同じかと思わせる設定は最高だったと私は思います。小泉孝太郎さんは、当時は似合わなさ過ぎて、演技もわざとらし過ぎて笑ってしまいましたが、今見返すとそれほどおかしくもないのかなあと。でも出来る男風にオールバックにしているあのヘアスタイルは今でも笑ってしまいます。近藤さんは下心があっても理性の効く男性で、小泉孝太郎さんのクリーンなイメージに合っていたなあと思いました。

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他のレビュアーの感想・評価

男に同情する?それとも自業自得?

謎がたくさん残されたドラマ有吉佐和子さんの原作を何度も読み返していました。原作の時代設定は戦後ですが、ドラマは現代にリメイクしてありました。脚色のおかげで、より、妻と愛人のバトルが楽しめるようになっています。男のずるさと優柔不断、そして、結局真相を知るのは女でしかないことを知らしめる、ちょっとシニカルなドラマです。男というものは悲しいものです。このドラマのタイトル通り子どもが我が子であることに「不信」を感じなければいけないなんて。もちろん一般家庭では、そんなことはないでしょうけれども。自分が他の女に子どもを作っているのに、妻からは「無精子症」だといわれてしまう。じゃあ、愛人の子どもは誰の子なんだ?って悩んだでしょうね。疑ったでしょうね。ドラマでは、いろんなところが謎のまま終わっています。結局、何が本当なのかわからないままです。それを視聴者に決めさせようとしているんでしょうけど、そういう...この感想を読む

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不倫まみれのドロドロドラマ

道子は専業主婦。義雄の不倫以来、髪や服装を美しくして家事なども完璧にこなしてきた。しかしなかなか子供に恵まれず、婦人科に通う日々。義雄はあまり積極的に協力してくれない。義雄はクライアントの小柳につれられて行ったクラブで、ママをしているマチコに出逢う。マチコと義雄はすぐに深い仲になってしまう。道子とマチコも知らず知らずのうちに近くのスーパーで顔見知りほどの仲になっていってしまう。小柳は小柳で、道端で歌を歌う歌手志望よ少女、マユミと深い仲になっていた。人間関係はとにかく複雑に絡み合い、道子やマチコにいいよる男たちや邪魔する女たち。それでも2人は義雄を取り合い、義雄は2人にいい顔をしていく。そんな月日が流れる中、マチコが妊娠する。その後道子も妊娠する。義雄の二重生活はそのまま続くかと思われた。しかし義雄がガンに倒れてしまう。とにかく内容がドロドロとしています。みんな不倫して、みんな恋をしている...この感想を読む

4.04.0
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