ある意味独創的な佳作
ちょっとした切れ味あるストーリー
ストーリーは精神病院に入っていた頭のおかしいふりをしている(あるいは本当にそうなのかもしれません)精力絶倫男がいて、退院許可をもらって、あこがれのスターでかつて一夜をともにしたことのあるAV女優のところに向かい、女優を監禁するというもの。ふむふむ、ストーリーに切れ味があっておもしろうそうと思えます。
そして男の望みは女に愛されることです。女はしだいに男に哀れみを持ち始め、最後に二人は一緒になるという。ざっと書けば、唯一無二のストーリーというわけではないですが、AV女優を入れたということと、精力絶倫男という設定がまあ、変化球です。
映像は薄い赤を基調としたポップな映像で、非常に好みでした。ストーリーもタイトルから連想されるほどのとんがり具合というかいっちゃってる感やドタバタさがなく好感が持てました。
好感持てるがインパクトにかける
逆に言えばちょっと、インパクトにも欠けると言えるのでしょうが、どのシーンにおいても、どこか「こいつ、今、どういう心境なんだろう」と俳優の心を読んで観ているような映画です。
これはつまり俳優たちがうまいということでしょうか?内面を言葉ではなく表情で、演技で見せているということかな?また出色は女優のヴァラエティです。なかなかいいと思います。色んなタイプの女優が出てきまして楽しませてくれました。しかしながら、ここも一計というか、工夫なんですが、どうして、いっそ、出てくる女性のすべてを美女にするという方法をとらなかったのかなあと思います。そうすると、非常に映画の思惑を超えた効果(ブラックコメディさというか、遊び心というか)をもっともっと産めたのにという気がします。
広がりのある切り口
あと、タイトルです。好感が持てたとは書きましたが、思い切っていっちゃうという方法もありましたね。例えば、あこがれのAv女優は複数にして、複数を拉致して監禁していく。監禁する場所も、同じ部屋に監禁するとかいうのではなく、檻に入れていくとか。あるいは精力絶倫男なのですから、並存する犯罪を取り入れてもよかったですね。性犯罪しながら、一方でAV女優だけは崇めていて手を出さないとか。AV女優にテクニックを教わりながら、素人の女性を犯していくなどなど。この映画の持つキーワードからストーリーのアイディアはいろいろと出てきます。それだけ、切り口はいい映画だということなんでしょうね。
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