コメディの大傑作
メル・ブルックス監督の珍しい傑作
これまで、ほとんど、この監督の作品はおもしろいと思ったことはなかったのですが、これはおもしろかった。
ストーリーの骨格としては、フランケンシュタイン博士の曾孫が、否定しながらも怪物作りの道へ進んで行くというもので、曾祖父の残した解説書を元にモンスターを作っていくのですが、脳の入れ替えミスで、思い通りにいかず、結局、自分とモンスターの一部を入れ替えたりして、難を乗り切るとかいう、まあはちゃめちゃなものではあります。
モノクロですが映像が素晴らしいと思いましたね。今でいう、ティム・バートン監督の一連のモノクロ作品に通じる美しさです。シャープささえ感じます。
笑える箇所満載
最高に笑えました。随所で。まず杖のシーン。これ笑えます。瀬虫男が博士に駅で短い自分用の杖を安全にと階段で渡すんですね。博士は不思議に思いながら悪ノリしてこれを使う。
前半部における博士と婚約者の別れのシーンもわざとらしくてミュージカル仕立てのようでこれまた笑えます。
それから博士とフランケンシュタインが劇場でタップを踊るシーンと、フランケンシュタインがうまくできるとフランケンシュタインに博士が餌をやるシーン(まるで動物ショーのように)、盲目者の家でフランケンシュタインがスープをよそってもらうシーンで、盲目者がカップの位置がわからずにフランケンシュタインの手首に熱いスープをかけてしまい、フランケンシュタインが叫ぶシーンなど。大笑いです。
映画自体もそれなりの怪しい雰囲気を醸し出しながら、やり過ぎない程度のどたばたで進行していきます。オリジナルのフランケンシュタイン映画を見ていなくても存分に楽しめます、
笑える俳優陣
ジーン・ワイルダーの演技につきますね。ジーン・ワイルダーを見ているだけで笑えるし、最高って感じです。主に目で演技し、すっとぼけた表情で笑わせる。自分から笑ったりしない。常に窮地に陥っているような困った表情をまといます。(今、これに対抗できる俳優としてはニコラス・ケイジ)逆に、他の俳優陣は見ていて笑えるということはないのですが、しっかり、うまくワイルダーと絡んでいっているという感じでしょうか。盲目の男を演じているのがジーン・ハックマンというのも驚き。フランケンシュタインをピーター・ボイルも怖さ、もろさの両方をそなえたいい味を出しています。
なんども見たくなる映画。リメイクしてほしいですね。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)