赤毛のアンを読んで私が考えたこと。 - 赤毛のアンの感想

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赤毛のアンを読んで私が考えたこと。

4.54.5
文章力
5.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
5.0

目次

本当に救われたのはマリラとマシュー。

私がこの本を読んで一番感じたのは、本当の意味で心や人生を救われたのは、孤児だったアンではなく長い間心を閉ざし、喜びも悲しみも感じることなく長い年月を過ごしてしまったマリラとマシューの兄弟だったのではないかということでした。モンゴメリの後の作品の中にもこういった境遇の年老いた人々がたくさん出てきますが、アンは神様から二人への最後の愛の贈り物だったのではないかなと思いました。

愛情、教育の大切さ。

アンはリンド夫人との最初の出会いで自分の見た目や赤毛をひどく言われたことに腹を立て、その場で言い返しケンカをしてしまいます。その後も何度となくいろいろな失敗を起こしながら、その度にマリラやマシュー、その他の心ある人々に諭され、慰められ前向きに成長していきます。ここに本当の教育の姿がある気がします。子供にたくさんの失敗をさせ、それを体験させること。そしてそれを大人が愛情を持った目で見守ってやること。そんな中で子供の心は好奇心に導かれながら強く逞しく成長していくのではないでしょうか。

自然と日光の大切さ。

アンははじめやせっぽちで顔色もよくありませんでしたが、友達のダイアナ等と自然の中でのびのび暮らすことによって少しずつ健康的になっていきます。学校にも通い始め、町に外出することも多くなっていきますが、マリラははじめそれをあまりよく思いませんでした。きっと女の子なら家でおとなしくしているほうが良いと思ったのでしょう。けれども町のお医者からアンをもっと外に出すようにと言われ、そこでマリラはそうしなければアンは死んでしまうのかもと思い込み、考えを改め、外で出かけることを認めていきます。もともと空想好きのアンですから本を読むことが好きかと思えば、どんどん外に出ていき、いろいろな人に出逢い成長もしていく。空想の世界が陰なら、人との出会いは陽。アンの性格はどちらも持ち備えており、だからこそここまで愛されるのかもしれません。

友情の大切さ。

アンとダイアナ。二人は出逢った時から心を惹かれあい、そして生涯の友となる誓いを立てます。その姿はとても美しく、幼いながら相手を思いやり、大切にする姿に本当に心打たれます。アンはマリラからはじめのうちあまりきれいな服などを作ってもらえませんでしたからきっといつも綺麗なダイアナをと一緒にいるのはきっと時には心苦しかったのではと思います。それでも見た目や家柄を超えたところで二人の友情は強くつながっていたのだと思います。陽気で楽しいダイアナの存在が孤独だった幼いアンの心にどれほどの温かみを与えたかきっとアンにしか分からないことでしょう。

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