あの夏の日に
永遠の夏休み
この作品中はずっと夏休みです。夏休みっていうものは誰しも何らかの思い出がありますよね。
夏休み中は毎日のように友達と遊びまわり、おやつに駄菓子を食べていたって方も多いのではないでしょうか?
私も例外でなくそういう思い出があります。そして、夏の終わりに近づくと貯まった宿題に追われながら「夏休みが永遠に続けばいいのに・・・」と毎年のように願っていました。
ココノツ達が終わらない夏休みを過ごしている様子を読んでいるとその願いが叶ったかのような錯覚に陥ります。
私はこの作品にノスタルジーを強く感じます。それは、昔懐かしい駄菓子を題材にしているということだけじゃなく、この夏休みという設定にこそが重要なのではないかと思います。
夏の日射しを浴びて汗をダラダラかきながら、100円玉をギュッと握り駄菓子屋さんへ走ったあの夏休みの日。
蒸し暑い中食べた駄菓子の数々、大人になった今だからこそあの日々がどんなに尊いものだったかが身に染みるのです。
誰もがひとつは知っている
日本人ならば誰もが1つ位は駄菓子を食べたことがあるのではないでしょうか。
最近の子は駄菓子離れをしている傾向があるとは思いますがスーパーには今も駄菓子のコーナーが当たり前にあるし、「うんちょこ」のようなヒット商品も出ています。
作中でも述べられているように駄菓子は少ない量でも楽しんで食べられるような工夫が散りばめられています。これって大人からの子供たちへの思いやりのように私は感じるのです。こういうさり気ない気付かいや工夫にすごく日本人らしさを感じます。駄菓子って大味のものが多いし雑多なイメージですが、そう考えるとすごく繊細なものですね。
だからこそ、駄菓子は日本人に受け入れられ今もなお受け継がれているのでしょう。
たかが菓子されど菓子
駄菓子というのはたかが数十円のお菓子です。正直素晴らしく美味しいわけでもないです。
しかし、その駄菓子には幾人もの熱い思いが込めれています。
ココノツの父・ヨウも駄菓子のこういうところに惹かれ、あまり儲からないであろう駄菓子屋を続けているんじゃないかと思います。そんなヨウ父さんはすごくカッコイイです。大人になってもなお少年の心を持ち続けあんなにオチャラけた人ってなかなかいませんよね!
ココノツにもこの駄菓子魂は引き継がれていると私は確信しているので、ほたるにはそのお色気と駄菓子への情熱でココノツを抜けられない駄菓子ワールドに引きずりこんでほしいです(笑)
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