優しい物語
哲学する亀この作品の特徴はなんといっても亀が哲学するという点です。プラトンと名付けられた亀の目線で物語は進んでいきます。プラトンは周りの人たちの様子を観察し、そして物思いにふけり哲学的な考えを繰り広げます。読み進めているとその繊細な感性に驚かされ、ついついプラトンが亀だということを忘れてしまいます。プラトンは亀だからこそ純粋でシンプルな考え方をします。人間は総じて成長していくにつれ純粋さが無くなり考え方が複雑になります。そして日々様々なことで思い悩みます。幼少期はプラトンのように純粋で真っ白な心を持っているものですが、幼いが故に自分の内面を流暢に言葉にするのは難しいです。しかし、プラトンは違います。亀という生物が故に純粋な感性を持ち、なおかつ大人並の思考力があるのです。青空のような少女もう一人重要な登場人物がいます。小学1年生の可愛らしい少女・空ちゃんです。プラトンは彼女のことをソクラ...この感想を読む
4.04.0
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