この広い世界のどこかに 君を愛してくれる人が 君を必要としてくれる人が 必ずいる 人は誰も独りでは生きてなど行けないのだから
アダム・ラング
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下弦の月は、1998年4月から1999年6月まで集英社のりぼんで連載された、矢沢あい原作の少女漫画である。連載全16回。単行本は、りぼんマスコットコミックスより全3巻、文庫版として集英社文庫より全2巻発行されている。2004年に実写版にて映画化されている。 高校生の少女と小学生の少女がそれぞれ交通事故にあい、その後、謎の洋館で出逢い様々な恋愛模様や謎に迫る物語。高校生の少女の恋愛模様、洋館で出逢った青年の謎などは、もう一人の主人公である小学生の少女が導きだす内容。下弦の月というタイトルの通り19年という年月が物語の大きな鍵を握っている。謎の洋館に隠された過去の悲しい恋愛をした恋人達が、月を通して過去と現世が繋がるかのように現れたりする展開はとてもシリアスでミステリアス。少女漫画誌で連載された漫画ではあるが、どちらかと言えば大人向けの内容となっており、幻想的な演出や絵で、人気作品となっている。
構成が抜群おもしろいです。はじめに女子高生・美月が理由はわからんが家族とも彼氏ともうまくいかず、家出してアダムというミュージシャンのところへ。彼は彼女の大好きな曲を歌い、安らぎをくれる人。しかし彼は素性がわからず、本当のところで分かり合えているとは感じられない人。だけど彼を追いかけたいの。そして彼女は事故に遭い…うん、死んじゃったんだね。そして幽霊になって…と思ったら、今度はまさかの小学生の女の子の目線へシフト。おいおいここからどんなふうにつなげるんだろう…?って思ってたら、同時期にルルと名付けた猫を追いかけて事故に遭った小学生・蛍が、いなくなってしまったルルをまた探し始めたところ、美月とアダムが時間を過ごした館へとたどり着き、記憶をなくした美月の霊と出会う…ここまでくると全然見方が変わってきますよね。なるほど、蛍たち仲良し小学生4人組で美月を成仏させるっていう話…?しかしここからさらに...この感想を読む
愛私は矢沢あい先生の作品が大好きでした。私が初めて矢沢あい先生の作品を見たのはご近所物語という作品でその後、天使なんかじゃないという作品を読みました。そしてその後に読んだのがこの下弦の月という作品でした。最初この物語を読んで一発目の感想としては、よく分からないが率直な感想でした。当時の私はまだ学生だったので、りぼんという漫画イコール恋愛漫画という図式ができあがっていて、この切ない恋愛物語を恋愛と位置づけるにはまだまだ理解が足りなかったのだなと今になって思います。この物語に登場するアダムという青年がいます。自分が好きな女性が亡くなっていても、自分がもうこの世にはいなくなっても、その生まれ変わりである美月という女性をも愛しているそんな青年でした。彼のその直向きすぎて、理解に苦しむ場面が多々ありました。けれど、私はこの物語を読んで、最後のアダムの語りに非常に感動したのです。アダムが好きなさや...この感想を読む
幻想的に描かれたホラー矢沢あいの作品の中では異色の作品ですね。いや、漫画としても異色ですよね。こちらの作品あたりから作風が大人向けにシフトチェンジされてきたように思います。キュンキュンするような甘いラブストーリーではなく、胸にジーンと染みてくるようなラブストーリーが美しくもあり儚くもあり・・・。さらにホラーとミステリー要素が織り交ざり、見事に少女漫画の概念を覆す矢沢ワールド全開で、もう彼女以外の作品が読めるかどうか分かりません。1コマが映像のように矢沢あいさんの画力はやっぱり繊細で素敵です。さらにポイントとなるシーンは映像が流れるかのように入ってくるから不思議です。最初と最後の交差点のシーンなんて台詞がなくても画だけで登場人物の感情が入ってきます。柵のシーンは逆にとてもシンプルで、より異空間というか無機質さがでていて好きでした。練り込まれているストーリーなんといっても下弦の月の魅力は、画...この感想を読む
アダム・ラング
最後にみんなとお別れするときに言った言葉
白石蛍
目標のゴールが見えた瞬間に振り出しに戻ってしまった。 落ち込みあきらめかけたが、仲間の励ましによりもう一度立ち上がろうとするシーン