タイトルって最後に出るだけなのね
夫がいなくなったあとも義父と住み続ける
テツコが結婚した年自体がずいぶん若くて、結婚して間もなく夫がガンで亡くなって、結婚した時から夫の実家で同居していたのはわかるのだけど、一般的には夫がいなくなれば自分の実家に帰るか、そうでないにしてもアパートを借りて出て行くということしか想像できない私にとってはテツコの行動は最後まで読んでもいまいち理解できなかったです。
小説でもそうだけど、ドラマでも義父というのはとても温和でどっか抜けていて友達みたいな人という感じでした。
私の義父はもう亡くなってしまったけど、顔を見れば説教だし文句ばっかりだし怒鳴るしたとえ夫が一緒にいても絶対に一緒になんて住めないと断言できます。
違う義父だったらテツコの気持ちも理解できるのだろうかとも思うけど、テツコの生い立ちにも関係していそうなので同じ立場の人ではないと無理なのでしょうかね。
夫を亡くし、義父と同居し、それでも同じ会社に新たに彼氏もいてさらにはプロポーズまでされているのに今のままがいいというテツコ。
もしテツコが40代くらいだったらわかるような気もするけど、まだ20代なのに今のままがいいってどーなの!?と言いたいです。
やっぱり人はいつか死ぬから希望が持てなくなったということなのでしょうかね。
それぞれの登場人物の主観がわかって面白い
最近多い手法になってきた気もしますが、主人公だけの視点じゃなくて、登場する人物それぞれが主人公になった短編を読んでいる感じがよかったです。
そのおかげもあって、このとき相手はどんな気持ちだったかなどという疑問はまったくなしにすっきりとした気持ちで読み終わることができます。
テツコは長生きできるのか?
小説の中でたぶん義母しか知らないことだと思うけど、義母と義父が結婚するかどうかのときに義母の母が占い師に義父と一緒になったら長生きできないということで最後まで結婚に反対していて、それよりも一緒にいたいと思ったから突き進んだけど、占い師当たってるし!と突っ込み入れてしまいました。
奥さんも死んだし、息子も20代で亡くなってるし、ようするに義父の周りにいる人は長生きできないってことなわけで。
それが親族はって意味なのかどうなのか。
テツコは義理の娘になるわけで、どっちにしても親族に当たるわけで。
そうなるとやはりテツコも長生きできないのではないかなとこの小説読んでる人はみんな思ったのではないですかね。
会社の同僚と結婚すればその呪縛から逃れられるのになぁと思うけど、あの家がいいのだからしょうがないですかね。
それにしても義父と嫁と嫁の彼氏が出入りするという不思議な関係ですね。
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