昨夜のカレー、明日のパンの評価
昨夜のカレー、明日のパンの感想
タイトルって最後に出るだけなのね
夫がいなくなったあとも義父と住み続けるテツコが結婚した年自体がずいぶん若くて、結婚して間もなく夫がガンで亡くなって、結婚した時から夫の実家で同居していたのはわかるのだけど、一般的には夫がいなくなれば自分の実家に帰るか、そうでないにしてもアパートを借りて出て行くということしか想像できない私にとってはテツコの行動は最後まで読んでもいまいち理解できなかったです。小説でもそうだけど、ドラマでも義父というのはとても温和でどっか抜けていて友達みたいな人という感じでした。私の義父はもう亡くなってしまったけど、顔を見れば説教だし文句ばっかりだし怒鳴るしたとえ夫が一緒にいても絶対に一緒になんて住めないと断言できます。違う義父だったらテツコの気持ちも理解できるのだろうかとも思うけど、テツコの生い立ちにも関係していそうなので同じ立場の人ではないと無理なのでしょうかね。夫を亡くし、義父と同居し、それでも同じ会...この感想を読む
木皿泉ワールドは、なんて心地良いんでしょう。
木皿泉ワールドは心地よい。彼らの綴る言葉はあたたかくてほんわかします。たくさん素敵な言葉が出てきて心に染みます。ドラマ「すいか」もかなりハマりました。主人公は一樹(夫)を病気で亡くしたテツコ、一樹の父であるギフ(義父)。テツコとギフは一樹が亡くなった今でも同居しています。一樹の死をゆっくりと受け入れながら、ゆるゆる日常を生きています。血の繋がりがないからこそ、こんなに心地良い距離を保てるのかなー、なんて思ってしまいました。今ののんきな生活がずーっと続けばいいと思うけど、いやがおうでも年をとってゆく。そんな次に踏み出すことができない人たちが、ほんの少し新たな一歩を踏み出そうとする様子がほんわかと描かれています。このまま、テツコとギフの生活に岩井くん(テツコの恋人)がそのまま加わっても、それはそれで良い気がするけど…。あと、ラストの『一樹』。一樹とテツコの出会いが素敵でした。この感想を読む
これも家族だ
夫が亡くなって義父と同居し続けている主人公テツコ。気が置けない間柄、穏やかな暮らし。端から見たらちょっと必ずしも理解できるケースとは言い難いかもしれない、そんな二人。そんな二人や、二人の夫で息子だった一樹と関わった人の目線で書かれている、各々の事情、人生、仕事、生活。人それぞれにいろいろあるもので、何に救われるかとかもまちまちで。でも歩いていくしかない、ってことが苦じゃなくなる気がしました。何よりこの二人、テツコとギフは、他でもなくこういう性格だからこそうまくいってるんだろうなあと思えました。何とも言えない掛け合いがまた楽しかったです。