劇場版TRICK霊能力者バトルロイヤルに思うこと。
いつも出てくる奇妙で胡散臭い人たち。
トリックのシリーズではお馴染みの、自分が特別な能力を持っていると自負するインチキな人たちが今回も出てきます。劇場版とあってかいつも以上にその姿かたちも妖しく、派手で、ちょっとお金がかかってそうです。世の中には教祖だとか霊能力者だとか自分が特別な存在であると主張する人たちがいて、それを簡単に信じてしまう人がいます。未知なものは憧れと畏怖との背中合わせのもの。自分にはできない能力を持っている人にはどこか惹かれてしまうのでしょうね。騙されていたとしてもだまされている間は幸せなのかもしれません。
自分は全く手品師の能力がないのに、トリックを見破る能力だけは高い奈緒子。
いつも不思議なのがまるっとお見通しで、その胡散臭い連中を気持いいくらいバッサリとやっつけてしまえる奈緒子が何故自分のことになると全くトリックにもなってない手品を下手糞にやってしまうのか。父親も母親も不器用ではないのに。これが不思議で仕方ありません。そしていつもいつも全くというほど観客に人気がありません。一人だけ熱烈なファンがいるようですが……。今回もそんな具合で派手ななりの沢山の霊能力者のインチキなところをばっさり、ばっさりと暴いてみせる奈緒子ですが、そのわりに周りの奈緒子に対する風当たりの強さにいつも可哀想と思ってしまうのです。と言っても本人も冷たく扱われてるはずなのにどこ吹く風というのがまた面白いのですが。
大掛りでめんどくさいことをするトリック。
トリックにはよくあることですが、非常にその手法がめんどくさく、よくやるなと思わせるものが多いです。上田と奈緒子が同時に叫ぶ気持ちは見ている方も同調します。けれどそもそもが山が消えたり、目の前の建物が消えたり、自動車が消えたりというトリックはどれもめんどくさいほど大掛りにしないと実現しないものなのかもしれません。そこまであれこれやるくらいなら霊能力の力を磨けばいいのにとも思うのですが、インチキな人たちなのでそもそも霊能力なんてないのでしょうね。また山田はアホですが、トリックを見抜く力は誰よりも抜きんでいて、上田は頭がいいはずなのにトリックが全く見抜けないアホなので、この凸凹コンビは見ていて楽しいですね。そしてその周りにいるキャラクターもみんな強烈な個性があって、まぁ総じてアホなのがまた楽しいです。他のシーンがギャグな分、トリックを見抜く山田のシーンは妙にシリアスでカッコいい。そのメリハリがこの作品のいいところなのでしょう。
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