早いテンポで見逃せないセリフ回し
相変わらずの面白さ
シリーズずっと続いてる「うさ美ちゃん」「聖徳太子」「松尾芭蕉」といったところが押さえられているのが、また良いですね。
またシリーズものは続いてるだけあって、面白みが増しているように思うのです。その中で面白さNo.1だと思うのが、やっぱり「聖徳太子」ですね。特に、小野妹子とのやりとりに深みや人間関係の近さみたいなものが出てきて面白かったです。
ここにきて、「ギャグマンガ日和」というアニメ作品を代表するのが、聖徳太子だということがよく分かりました。
特に今回、聖徳太子の一週間はメチャクチャ笑えましたね。
お互いの直接的なやりとりはないんですよね。小野妹子は、影から見守る?観察する役回りですよね。しかしそれを一週間、ずっと続ける様子が妹子自身の聖徳太子への愛情だと思います。また観察されてる聖徳太子も、ずっと妹子のことばかり考えてるあたり、よっぽど妹子のことが好きなんだ、ということが伺えます。
だから、この二人が口論やケンカになっても、どこかほのぼのとさせられるのが魅力のひとつに思えます。
きっと一週間ずっと観察していた妹子もそれをつくづく感じたのではないでしょうか。一週間、顔みてないな〜という聖徳太子のセリフと、どこか寂しげな表情がとても印象的でした。
あんな人物が聖徳太子だったら、変わり者過ぎて大変ですけど、どこか憎めない可愛らしさも備えているんですよね。
また所々に見せるアクセントも、原作者の笑いのセンスを感じさせるものがありました。
落とし穴にツナ入れておくとことか、聖徳太子がブランコしてるとことか、
ひざパカッは意味不明過ぎて笑えましたね。
聖徳太子の話だけではなく、全ての話にいえることですが、このアニメ作品における重要要素はテンポですね。
声優さんもさぞ大変でしょう。ほとんどのセリフが早口だし、また間の取り方も独特ですしね。しかし観ている者に与える効果も抜群だと思うのです。
画面が見逃せないし、セリフも油断していると聞き逃します。結果的にアニメ作品の中に入り込んしまうという作り込みが、このアニメ「ギャグマンガ日和」の根幹部分だと思います。
また上手だな、と思うのが、下ネタで笑わせてるわけではないという部分です。そして変にナレーションを入れるようなことをしていないことだと思うのです。
本当に、この作品は好きです。
一番お気に入りキャラクター
ここまでの話からすると、聖徳太子か小野妹子を選びそうなものですが、「くま吉くん」を選びます。シュールさでは彼らより頭ひとつ分飛び抜けいるような気がするのです。
また変態属性で、数々の犯罪を犯しますが、悪いと思っている様子がなさそうなところは笑えます。いつも警察に逮捕されて、話が終わるのに、次の話になるとシレッと普通に学園生活を送っています。一見、かわいい登場人物ですが、必ず犯人は「くま吉くん」という構成が、不思議と面白いです。
また話の冒頭で、うさ美ちゃんに妙な弄られ方してるのも笑えます。「暇だから、首をネジ切りなさいよ」とか、普通に会話として成立してる部分がどんな小学生なんだと思います。
また面白い部分でいえば、「くま吉くん」は話の中で、解説役やナレーションの役回りをすることが多いのです。しかし解説・ナレーションしている本人が犯人になってしまうというオチは毎度のことで、分かっていても笑ってしまいます。また「くま吉くん」の警察に連れていかれる時の捨てゼリフも意味分からないですしね。
このシリーズも3作品全てに登場して、ずっと続いてるのですが、飽きないですね。
シリーズもの以外でのお気に入り
どれにしようか迷いますが、キューピットの話が、私としてはツボでした。悩んだのは、バンドグループの喧嘩の話も捨て難いからです。どちらかといえば、やはりキューピットのキャラクターが面白いですね。
なぜ、天使という立場なのに、あんなに自己中心的な性格なのか笑えます。また目的の為には手段を選ばない冷徹さも面白いです。なにより面白いのは、取り次ごうとしたカップルが、すでに順調に交際が始まっており、それが自分にとっては都合が悪いというチグハグな状態ですね。
その時点で、キューピットは仕事ないわけだから、帰ればいいのに帰りません。一度フラれるようにして、キューピット自身の力で交際させようとするのが、意味分からな過ぎる展開で面白いですね。
フラれるように画策するのなんて、本来の仕事と丸っと正反対で、性格の悪さを露呈してるのが最高です。
よくこんなことを思いつくものだと、原作者の方をリスペクトしますね。
この発想の豊かさ、そして普段の生活の中から抽出する着眼点が、本当に優れた方なのだと思います。
生活の中からの着眼点という部分では、先ほど挙げたバンドグループの喧嘩の部分が挙げられます。
個性的な歌い方するボーカルとか、多いので、客観的に思うと不思議は発音しているアーティストって多くありませんか?誰もが突っ込みませんし、それがカッコ良く映るものなのでしょうけど、この原作者はそこを斬り込んでいるので、凄い着眼点だと思います。
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