ゴールデンタイムに流れた悪夢
子供向けに見せかけた黒いアニメ
ジャングルはいつもハレのちグゥは少年ガンガンの黄金期に掲載されていた漫画が原作であり、内容セリフはおおよそ原作をもとに構成されています。一話一話の話が綺麗に区切られているため大体保険医が出てくるまでは数回飛ばしてしまっても安心です。約30分区切りという構成を作るためにスピードが調整されているので、原作のスラスラ読めるテンポの良さと独特の軽いノリを既に知っている方はアニメ化の際に、少しヌルく感じたかもしれません。原作者の金田一先生は今も多くの作品を手がけている偉大な方ですが、まだお若い頃に描かれた作品ということでこの作品の妙な勢いが生まれたのかもしれません。続編のハレグゥよりも歯切れがいいです。この作品の魅力は登場人物のハレが奇妙かつ個性的な仲間たちに囲まれて苦労している際に、子供ながら妙に疲れた大人めいた発言をするところだと思っています。それこそが彼の魅力なのですが非常に早口ながらよく聞いてみるとすごいことを言っているので、子どもの頃見ていた方は大きくなってから見返してみると衝撃を受けると思います。主題歌を口ずさんでいた子どもを見てお母さん方はさぞハラハラしたでしょう。ちなみにOPを歌っていらっしゃる方はX JAPANのTAIJIさんの妹さんです。
全体的には明るくてギャグメインのストーリーですが一人一人を掘り下げていくとそこそこ深刻な悩みを抱えていたりします。基本喋らないふたりの小さい子を除けば、全員記憶に残るような上手なキャラの見せ方も魅力的です。明るいノリでシリアスに引っ張りすぎないという絶妙なバランスがこの作品を盛り上げる大きな要因であったことは間違いないのではないでしょうか(個人的にはハレグゥはそのあたりのバランスが崩れていたような印象があるので)。特に保険医あたりの女絡み(ウェダを妊娠させた挙句息子に冷たい)はクレヨンしんちゃんにも引けを取らないクレームを呼び起こしそうな言動が目立っています。こんな大人いたら嫌ですよね、と思ったところでちょくちょく彼がなぜそうなったのかをチラリと覗かせるシーンがあるのでどうも憎めない。そのあたりの演出がやはり非常に秀逸です。まあ男性からしたら可愛い子にだけ優しい、という態度はそれだけで親近感湧きますけど。ここで女性陣からの嫌悪感も取り除くあたり流石です。
グゥがおかしい
何でもアリの何でもできるキャラというのは今でこそありきたりですが当時は斬新だったように思います。人が体内に人を飼っていても口から何を吐き出しても「あぁ、グゥだな。」と思ってしまうのは完全に感覚が麻痺している証拠なのですが、不思議と慣れていきます。後半に行くにつれて妙にリアルな人間ドラマが描かれていく今作ですが、何故か見ている側までもグゥについては言及しなくなっていくという。闇が深い。
胸毛
普通に生きていれば普段あまり見かけないであろう見出しです。これだけで一つの話(一つどころではない)が展開されていくのだから大したものです。長老という狩りに行く時以外はほとんど長老らしい要素を見受けられない重要キャラがいますが、彼の胸毛はアニメでも健在です。胸毛っぽい髪型の人は多少見受けられますがキャラが濃すぎてしばらく作品に触れていない人も一目見れば嫌でも思い出せます。
お母さんがエロい
とにかくエロい。というか若い。開始当初は25歳のお姉さんです。初期は未亡人の雰囲気を漂わせていますが物語の進行と共に実に多くの属性が発見されていく魅力的なキャラです。お姉さん、人妻、息子への過剰なまでのスキンシップ、なんととある薄い本では息子のハレと致してしまうというおねショタ要素までも持っているのです。14歳にしてハレを妊娠し勘当された描写もありますから、下品な言い方をすると妊娠したJCの要素もあるということです。おそろしいですね。あの頬骨の目立った大人らしい輪郭がツボでした。この作品を語るときは大抵なんかこのお母さん可愛くね?と誰もが口にする必要不可欠の存在なのですが、まさにこの作品のヒロインだと言っていいでしょう。とにかく、露出が激しい。お風呂上がりのシーンなどサービス満点の史上最高のママなんですが、やはりアニメということで胸などの描写が隠れてしまったのが悔やまれる。現在のアニメのように美麗な霧に隠れてかえって興奮を誘うといった描写ではなく完全に隠してしまった。これが本当に残念です。どうしても見たい方はマンガを読む以外ありません。あまりに堂々としていてかえってこっちがビックリします。少年誌なのに。ここで私の意向を述べますと、男性作家が描くのは男の妄想を詰め込んでるな~という感じがするものでそれはそれで大変素敵なことですが個人的には女性作家が男性誌で描くエロ絵が好きです。女性誌までいけばもちろん女性作家は多いですけど、男性が興奮するように女性の身体を描かれることって少ないように思います。女性が描くから妙にリアル、しかも男性に向けてのサービスをガッツリ掴んでいる。これは最高だと思いますね。ただアニメの話に戻しますと当時の放映時刻は18時から18時半という超ゴールデンタイムなので、こんな時間にウェダさんが入浴だのなんだのしてくれただけでもう感謝感激雨霰ですよね。既に先に述べた通り内容が内容ですから、よくあの時代にここまでやってくれた!という気持ちになるべきでしょう。
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