間違いなくSF映画の金字塔。 - ブレードランナーの感想

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間違いなくSF映画の金字塔。

4.54.5
映像
5.0
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
4.3

原作を読んだ後に、それとは知らずに映画を見た。
原作が非常にくたびれた荒廃した世界で主人公もかっこよくないイメージだったので、見始めてすぐには気づかなかった。
青白い光、息苦しい湿った空気。閉塞感のある世界。ハリソン・フォードはカッコいいが。
あ、でも、ハリソンフォードもカッコいいけど、ルドガー・ハウアーの美しさは群を抜いている。
ヴァンゲリスの音楽もいい。

原作とはずいぶん印象は違うが、レイチェルの迷い・デッカードの記憶、そんなシーンを見ると確かに原作というかフィリップ・K・ディックの世界は間違いなく踏襲はしているなと。記憶と現実、リアルとバーチャルのねじれ感。裏返って裏返って・・・って感じ?
原作では重要な位置づけだったマーサー教の部分はばっさりカット。それはそれで良かったと思う。マーサー教はこの作品にはそぐっていないし、テーマが分散してしまうから。

当時の映画興行的には、あまり成功とは言えなかった的なことを聞いたが、この息の長さはなんだ。
ファイナル・カット、完全版、ディレクターズカット・・・どんだけ金を使わせる!!(←そこッ?!)

あと、その後の映画界・アニメ界・ファッション界・・・さまざまなものに影響を与えていることに、何でも無いときにふと気づかされる。「あれ?」と思うと、それがたいていブレードランナーの世界であることが多い。

意図したのかしなかったのか、日本人にしか分からない妙な部分も多く楽しめる映画。

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未来を正確にに見ていたブレードランナー

次に来る時代を確実に予測していた主人公デッカードが屋台でうどんを注文するシーン。屋台の店主の人種は日本人だ。アメリカの大都市には様々な人種が行き交っている。人々が扱う言語はベトナム語、ドイツ語、アラビア語など様々。1982年に公開されたこの映画は、現在のグローバル社会を正確に予測していた。移民法の改正以来、アメリカは多くの人種を取り込んでは発展を遂げていた。アップルやグーグルの拠点で知られるカルフォルニア州は、大学の生徒に必ず他国の子供を受け入れるよう州法で制定している。多様性を確保することが、未来のグローバル経済で生き残るための最も効率的な手段だったのである。その割を食うように白人達は、アメリカ中央部の田舎の州へと追いやられることになる。それにともなう反動が、トランプ大統領の掲げるアメリカファーストに繋がることになる。未来的SF都市に必要なのは他民族だとブレードランナーは予測していた。ち...この感想を読む

5.05.0
  • taktak
  • 96view
  • 2074文字
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