間違いなくSF映画の金字塔。
原作を読んだ後に、それとは知らずに映画を見た。
原作が非常にくたびれた荒廃した世界で主人公もかっこよくないイメージだったので、見始めてすぐには気づかなかった。
青白い光、息苦しい湿った空気。閉塞感のある世界。ハリソン・フォードはカッコいいが。
あ、でも、ハリソンフォードもカッコいいけど、ルドガー・ハウアーの美しさは群を抜いている。
ヴァンゲリスの音楽もいい。
原作とはずいぶん印象は違うが、レイチェルの迷い・デッカードの記憶、そんなシーンを見ると確かに原作というかフィリップ・K・ディックの世界は間違いなく踏襲はしているなと。記憶と現実、リアルとバーチャルのねじれ感。裏返って裏返って・・・って感じ?
原作では重要な位置づけだったマーサー教の部分はばっさりカット。それはそれで良かったと思う。マーサー教はこの作品にはそぐっていないし、テーマが分散してしまうから。
当時の映画興行的には、あまり成功とは言えなかった的なことを聞いたが、この息の長さはなんだ。
ファイナル・カット、完全版、ディレクターズカット・・・どんだけ金を使わせる!!(←そこッ?!)
あと、その後の映画界・アニメ界・ファッション界・・・さまざまなものに影響を与えていることに、何でも無いときにふと気づかされる。「あれ?」と思うと、それがたいていブレードランナーの世界であることが多い。
意図したのかしなかったのか、日本人にしか分からない妙な部分も多く楽しめる映画。
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