バグダッド・カフェの評価
バグダッド・カフェの感想
深く心に残る名作
傑作この映画は、私にとって今まで観た中で最も心に残る名作のうちのひとつで、世紀の大傑作だと思っている。人間という生き物を過不足なく表現し、賛美するこの映画は、公開当時の1987年には見向きもしなかった作品だが、あの頃の自分には何の魅力も感じられなかっただろうと思う。それでもあの頃、難解なフランス映画の映像美にただ魅せられて週に何本もビデオを借りて観たり、劇場で居眠りをしたことは無駄ではなかったと思うのだ。あの日々があってこの映画を味わう感性が養われたと思っている。この映画の良さを言葉で表現するのはとても難しい。ひとつには凡庸なストーリーのせいだろうか。人と人との触れ合いを通して心の交流が生まれ、最後はハッピーエンドという何の変哲もないお話だ。この映画が世界から受けている評価を知らずに、あらすじだけを先に読んでしまったら多くの人はおそらく最後まで観ようとは思わないのではないだろうか。私もそう...この感想を読む
ミニシアター系の最高傑作
冒頭部分の素晴らしさ夫婦喧嘩の挙句、妻と妻の持ち物であるポットをハイウェイに置き去りにしたことから始まるストーリー。妻ヤスミンは頑として車に戻らず、重い荷物を引きずりながらほうほうの体で砂漠の中にあるうらぶれたモーテル兼カフェにたどりつく。置き去りにされたポットは拾われることによりヤスミンよりも先にこのバグダッドカフェで着き、ここからカフェの内情が自然に描写される。夫婦喧嘩相手の当の夫もこのカフェに立ち寄り、偶然にもその拾われたポットの中のコーヒーを出され「うまいコーヒーだ」と絶賛するが、のちヤスミンの絵を描くことになるコックスにはかなりの不評という対照的かつ暗示的な表現が印象に残る。ドイツのコーヒーとアメリカのコーヒーの対比だけなのかもしれないけど、妙に心に残った。客のこない日々、優しいけれど仕事のできない夫、子供は思春期まっさかりでここの女主人ブレンダの機嫌は悪くなるばかり。当り散...この感想を読む
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