夢と現実に翻弄されて、堕ちていく
二つの相容れないものが混ざり合った世界奇才「テリー・ギリアム」の作品のうちの一つ、「未来世紀ブラジル」。この物語は、「融通の利かない世界(現実)」と「どんな事でもできる夢」の二つが、陰陽のように合わさっている。…と、物語の世界観とか、監督の思惑とか、この作品に込めた想いとか、そういうのを考察できるほど頭が良くないので、私なりにこの作品の好きなところを書きたいと思う。新しいの?古いの?物語は「20世紀のどこかの国」という事だが、新しいのか古いのか、未来っぽいのかそうじゃないのかがよくわからないのに、不思議と違和感はなく、そのままを受け入れられるような見せ方が好きだ。いたるところに張り巡らされているダクト。使いにくそうなパソコン。最新の美容整形方法に、ベッドタウンの様子など、どれも新しさも感じるし、古さも感じる。パソコンがあるのにタイプライターを使っているところなんて、まさに「20世紀」という感...この感想を読む
5.05.0
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