3つに分かれた旅と戦い
フロドとサムの旅と戦い
フロドとサムは旅の仲間たちと離れて2人で「滅びの山」まで進みます。そこに新たにゴラムが道案内役として一緒に行動するようになりました。ゴラムはビルボ・バギンズが「一つの指輪」の所有者になる前の所有者です。手放すつもりではなかったため今でも「一つの指輪」を「愛しいひと」とよび自分のものにしようとしていました。フロドもだんだん指輪に心がむしばまれていきます。そしてこの指輪のために心がむしばまれてしまったゴラムを、同じ痛みを知るものとして、憐れみをかけているようでした。
フロドはもともと人がいいのか、指輪を狙われているにもかかわらずゴラムのことを憎めないようです。エルフの縄を簡単にほどいてやったり、ゴラムの道案内を信じてついていきます。そういった気持ちがゴラムの中にいるスメアゴルンに届いたのか、ゴラムもフロドのことを「旦那さん」といって慕っていきます。しかしゴラムにはもう一つの人格があり、そちらのほうはどうしても「一つの指輪」が欲しくてたまらないようです。サムはそのもう一つの人格になんとなく気づいているのか、ゴラムを信用することができないようです。フロドも言っていましたが、「サムがいなければ旅を続けることはできなかった」というのは自分を心から心配してくれているサムを、信頼しているからこそ出た言葉なのでしょう。
フロドはボロミアの弟ファラミアに捕まります。ボロミアが「一つの指輪」を欲していたのは父であるデネソールの願いでもあったようです。指輪の呪いだけでなく父からの呪いもあったのかもしれませんね。父から冷たくされていたフェロミアは自分を見直してもらおうと、指輪を持ったフロドたちを自分たちの領地であるオスギリアスに連れていきました。指輪を追ってきたオークやナズグルによって町が攻撃を受けます。「指輪は破壊しか生まない」といったフロドの言葉とボロミアの遺志をくみ、逃がしたら死刑になるかもしれないと忠告を受けますがフロドたちを逃がすことを決めたようです。
メリーとピピンの旅と戦い
指輪を持っているホビットと間違えられてオークとウルク=ハイたちにさらわれてしまいます。しかしおなかをすかせたオークたちに、食料扱いされてしまいます。足なら食べても死なないから大丈夫だろうと言い出すオークまででてきました。2人を食べる食べないで争い始めたオークとウルク=ハイに、そのどさくさに紛れて2人は無事逃げ出しました。
ファルゴルンの森の守護神である「木の髭」を味方につけたメリーとピピンですが、フロドとサムを助けるために「木の髭」たちエント族に助けを求めます。いつもふざけているメリーですが、自分たちには直接関係ないではない、ひとつが破壊されれば次々と破壊され、いつかは自分たちの住む場所も破壊されてしまうと、人ごとにしようとしていたピピンに訴えます。最終的にはピピンの機転で戦うつもりがなかった木の髭たちに破壊された森を見せて、エント族の力をかりて戦います。二つの塔のうちの一つであるサルマンの塔アイゼンガルドは陥落し、サルマンはこの塔に幽閉されることになりました。そのサルマンの貯蔵庫で食料と大好きな煙草の葉をみつけた2人はさっそく吸っていました。
メリーとピピンにとってファルゴルンの森はしばしの安息時間といったところだったのでしょう。森の水を飲んで少しずつ背が高くなったピピンに対抗して、メリーも水をうばってがぶ飲みします。ふざけすぎた2人は木の根にとらわれてしまいますが、すぐに木の髭に助けられます。こういったところもこの2人の魅力なんでしょう。
アラゴルンとレゴラスとギムリの旅と戦い
アラゴルンとレゴラスとギムリは、白い魔法使いとなったガンダルフとともに人間の王国であるローハンに行きます。ローハンでは王であるセオデンがサルマンの手下であるグリマに操られていました。ガンダルフが魔術でサルマンからセオデンを解放します。ローハンの門番はグリマに武器をすべて預かるよう言われましたが、ガンダルフの杖は「老人から杖を奪うのか」と言われて奪えませんでした。それが勝敗を分けてしまったのでしょう。
正気に戻ったセオデン王は、国民を守るためヘルム峡谷に移動します。途中食事休憩時にアラゴルンのもとにエオウィンがシチューを作ったと持ってきますが、アラゴルンのようすだととてもまずかったのでしょう。エオウィンはアラゴルンに思いを寄せていますが、アラゴルンが愛しているのはアルウェンです。ここもある意味での戦いなのでしょう。
なにかと仲が良い(?)レゴラスとギムリですが、オークやウルク=ハイを倒した数を競い合います。お互いに負けたくないみたいで、ギムリが1人分多いとレゴラスはギムリが倒した敵に矢を放ち数に入れます。「俺が倒した」「まだ動いていた」と子どもみたいに言い合いをします。こちらの戦いはまだまだ始まったばかりのようです。
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