全部で20個の指輪たちと指輪の誘惑に負けないホビット族
それぞれの種族が持っている「力の指輪」
最初「力の指輪」としてつくられたのは19個の指輪でした。3つはエルフに、7つはドワーフにそして9つは人間にとわたされました。この物語でフロド・バギンズが「滅びの山」に破壊をしに行こうとしているのが、この19個の指輪をあやつる「一つの指輪」で、この指輪の持ち主は暗黒の王サウロンです。もともとサウロンはこの「力の指輪」を持ったものを操るために、持ち主が堕落し影の存在に変わるよう呪いをこめて作りました。そして「一つの指輪」ですべての指輪を支配できるように鋳造をしていました。しかしエルフが持つ「三つの指輪」の鋳造にはサウロンが関わっていなかったため、エルフたちは堕落はしませんでしたが「一つの指輪」の支配からは逃れられないようです。
人間に渡された「九つの指輪」はその力で富と栄誉をもたらしたようですが、結局はサウロンの力に飲み込まれて影の存在となってしまいました。フロドが持っている「一つの指輪」をねらって追いかけていた9人の黒い騎士は、この「九つの指輪」を持った9人の人間たちです。この「九つの指輪」は人間の王など有力者に渡されたようですが、人によっては権力を持った一番強欲な人間にわたってしまうことになるでしょう。エルフ・ドワーフ・人間でいうと人間が一番誘惑に弱い種族と言われています。その人間に指輪を一番多くわたしたのもサウロンの策略だったのでしょう。実際「滅びの山」に指輪を捨てに誰が行くのか「裂け谷」のエルフのもとで話をしているときに、一番最初にボロミアが指輪に近づき手に入れようとしていました。そのあともフロドに「指輪は俺のものだ」と襲いかかっていました。
意思を持っている「一つの指輪」
「一つの指輪」には邪悪な意思があります。指輪の主人はあくまでもサウロンでそれ以外の持ち主は、指輪にとってはサウロンにたどり着くまでの運び屋ぐらいにしか思ってないのでしょう。そのため黒い騎士が近づくと主人のもとに戻ろうとフロドに指輪をはめさせようとします。「一つの指輪」には魔法の力も備わっていて、所有者には不老不死の力をあたえ、指にはめると姿を消すことができます。ビルボ・バギンズは111歳の誕生日を迎えますが、100歳を超えているとは思えないほど健康的で若いままです。それはこの指輪の力が働いていると思ってよいでしょう。指輪を手放し「裂け谷」で暮らすようになるとすぐに年を取り始めたようです。指にはめると周りにいる人たちからは姿を消すことができますが、サウロンと黒い騎士には見つけやすくなるようです。
指輪には見た人につよい所有欲を感じさせます。それは人間だけではなく、魔法使い・ドワーフたちも誘惑されてしまうほど強いものです。ホビット族は平和を愛する種族で、指輪を見ても所有したいという気持ちがわかないようです。しかし、指輪の力なのか長い間所有していると「所有欲」がわいてきてしまいます。フロドは最初指輪を見てもなんとも思わないようで、ガンダルフに指輪の脅威について聞くとすぐに渡そうとします。フロドについてきたサムやピピン、メリーも指輪を見ても欲しいとは思わないようです。しかしビルボのほうは手放した後フロドが持っている指輪を見て、もう一度触りたいと言い出します。所有欲のあまりないホビットでもこのような影響が出るのであれば、誘惑に弱い人間は余計に所有したいと思うでしょう。
問題児の「メリー」と不用心すぎる「フロド」
メリーは通称で正式にはメリアドクと言います。フロドとはふたいとこになるみたいです。いつも一緒にいるピピン(ペレグリン)とは親友でもあり従兄でもあり、二人でいつも悪さをしています。あまり考えて行動を起こすタイプではないらしく、ブリー村の居酒屋では宿屋にいたものに「バギンズはあそこにいる」とフロドを指さし、騒ぎとなります。またモリアでは興味本位で触ったミイラを、井戸の中に落としてしまい、オークたちに居場所を突き止められてしまいます。天然なのかわざとなのか常に問題を起こしているように見えます。
フロドは主人公にもかかわらず、この映画の中だけでも2回も胸を刺されます。1回目は黒い騎士に2回目はトロールに刺されます。1度目の時は呪いの剣で刺されてエルフに助けられます。2回目はビルボにもらったミスリルの胴着に助けられます。それにしても滅びの山で指輪を破壊するという使命を持っているにもかかわらず、不用心すぎると言えるでしょう。
余談ですが・・・
「ホビット」とシンクロするシーンがありますが、シリーズが後先になっているためか少しシーンが違っています。1つはビルボが「一つの指輪」をひろったシーンですが、ホビットではもちろんマーティン・フリーマン演じるビルボが指輪を拾っていますが、ここでは老年期を演じているイアン・ホルムがこのシーンを演じています。もう1つはフロドがガンダルフを迎えに行くシーンですが、「ホビット」ではビルボに迎えに行くと断りをいれてから行っていますが、ここでは外で本を読んでいていつの間にか家を出ていました。
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