美味しい無農薬リンゴへの挑戦!
綺麗な自然と共に始まる無農薬リンゴのストーリー。
菅野美穂の青森の方言がとても優しく透き通るような声から始まります。可愛らしい声で、印象的でした。この作品は実話を元に作られた作品ということを知り見てみたいと思い、鑑賞しました。
リンゴの話や昔の話から始まります。学生時代の風景が流れた時に廊下に立たされた2人の学生がいます。現代だと親から体罰とかやりすぎだとか言われてしまうのだろう。昔は子供の頭を平気で叩いていました。今では体罰になります。昔と今の違いを実感しました。学生時代、2人が映る後ろの風景がとても綺麗に思いました。青森県へは行ったことがないけれどきっと空気の綺麗な所なのだろうなと感じました。青々と茂った木々ゃ、雪のかかった山に、菜の花の黄色がとても素敵で印象に残っています。画面にリンゴが沢山映し出されると、正直食べたくなってしまいます。そのくらい美味しそうで真っ赤なリンゴです。
あきのりがみえこのためにと誓った”無農薬リンゴ”への挑戦!
農業を嫌がり東京に憧れているあきのりと、見合いをすることになった地元の友人みえこは、結婚をします。式の最中に停電になり、ロウソクを持ってきたあきのりのアイディアに、みえこはとても幸せそうに見えました。子供も3人出来ました。あきのりはあれほど農業を嫌っていたのに、いつの間にかリンゴ農業に必死になります。その変わりっぷりに笑ってしまう程です。個性派俳優阿部サダヲさんにぴったりだなと思いました。みえこは農薬が体に合わず、吐いてしまったり、高熱がでたり、体に湿疹が出来て寝込んでしまうほどでした。そのため、農薬を使わなくてもいいという方法を考え始めます。簡単な事ではありませんが、嫁のためにと一生懸命な姿がカッコ良く見えました。その行動力は素敵だなと思います。みえこのためにと、必死でした。減農薬を試し、無農薬を始めることにしたのです。あれほど農業を嫌がっていた人とはまるで別人のように必死で農業に専念していました。人は大好きな人のためならここまで変われるのかと思うと不思議な気持ちになりました。素敵なことだなと思いました。リンゴを無農薬で育てることは非常に難しくて大変なことだそうです。それでも周りの反対意見も気にせず、農薬の代わりに、ワサビをぬるなど様々な努力をしていました。そこまでできるのは、あきのりがみえこを一生守っていくと誓っているんだろうと感じました。
無農薬リンゴは難しく、何度も失敗してしまいます。あきのりの農業の仕方は、近所の人に、”農業ごっこ”だと言われてしまう場面は、辛くなりました。あれほど頑張っているあきのり達をごっことまでいい、無農薬リンゴなんて無理だと反対されてしまうのです。今まで出来ていないからやらないではない、何事も上を目指し、目標を持つこと、諦めないことが大切なんだと教えられました。周りから、意地悪を言われたり、回覧板もまわしてもらえなくなりました。酷いことをする人がいるなと思いました。目標に向けて頑張っている人をなぜ馬鹿にするのでしょう。応援してあげればいいのにと思いました。あきのりは友人にまで諦めろといわれてしまう時のあきのりの表情が可哀想でたまりませんでした。みえこのためではなくて、自分のためなんじゃないのかと言われてしまい、あきねりが俯向く姿が印象的でした。友達ではいられないとまで言われて、親にも見捨てられ、辛い気持ちになったのだろうと思います。落ち込むあきのりは、自分のしていることは本当は間違っているのかと悩んでいるようでした。リンゴは上手くいかず、お金も無くなり、家族の間に溝が生まれてしまったようでした。
悲しい現実
東京に出稼ぎに出る事になりました。かばんを盗まれ、公衆電話の中で涙するシーンは、見ているだけでも辛い気持ちになりました。頑張ってと負けないでと心の中で繰り返してしまう程悲しい想いが伝わってくるシーンでした。
あきのりは少しづつおかしくなっていきます。木に話しかけるようになるのです。その姿を悲しい顔で見るみえこはどんなに辛かったでしょう。笑わなくなり、リンゴの木に話しかけるあきのりは、どんな気持ちだったのでしょう。今まで頑張ってきたことを思い出すと私は諦めないで頑張って欲しいとその時思いました。
自分の子供にまで影響がでて、ストレスを感じ高熱を出した子供に何度も謝るみえこは辛かったと思います。でもその姿を見ていたあきのりの方がずっと辛かったでしょう。自分の無力さを感じて病院の廊下を歩く後ろ姿が悲しく何とも言えない気持ちになりました。自殺まで考えたあきのりは、他にかんがえが思いつかないくらい心が病んでしまっていたのでしょう。
ついに無農薬リンゴ
絶対に諦めない事の大切さを教えてくれたあきのりとみえこ。みえことあきのりが協力し支え合いながら続けてきた事は、私やこれからこの作品をみる方に大きな勇気と希望を与えてくれます。人の優しさも感じられる作品です。満開に咲いたリンゴの花、1本づつにお礼をいう姿が素敵でした。
菅野美穂と阿部サダヲだからこそできた作品だと思います。素敵な演技でした。
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