トレジャーハントにまつわる事実と、名誉を重んじるトレジャーハンターたち
史実に基づいた設定と実在するアイテム
ゴールデン・サークル騎士団は、南北戦争時代南軍寄りだった秘密結社です。リンカーン大統領を暗殺したジョン・ウィルクス・ブースが所属していたといわれています。映画の中で紹介されているブースの日記は実際にあり、暗殺事件の期間24ページ(18ページとも言われている)が破られていたそうです。しかしこの破られたページは見つかっていないようです。その見つかっていないページに暗殺の共犯者と黄金都市「シボラ」の場所の暗号が記されているというところから、この物語が始まります。暗号は「プレイフェア暗号」が使用されています。この暗号も実際に使われている暗号で、イギリス人サー・チャールズ・ホイートストンが開発したものです。最初は友人のプレイフェア卿と趣味でやり取りをするために使われていたもののようです。
その他実在するアイテムとしては以下のものがあります。「フランスの自由の女神」はパリに住むアメリカ人がフランス革命から100周年を記念して贈ったもので、セーヌ川グルネル橋のたもと建てられています。「バッキンガム宮殿の女王執務室の机」「ホワイトハウスの大統領執務室の机」の両者は、イギリスのレゾリュート号の木を使って作られたものです。「マウントバーノン」はバージニア州アレクサンドリアにあり、マウントバーノン婦人協会による信託で所有され維持されています。最後はワシントンにある「国立議会図書館」がでてきています。もちろん本当に暗号や隠し引き出し、秘密の抜け道、秘密の本なんてものは実在はしませんが(本当にあったとしても、公表はしないでしょうから絶対にないとは言い切れませんが)。実際見に行って楽しみこともできるでしょう。
ミッチー・ウィルキンソンとベンジャミン・ゲイツ
ミッチー・ウィルキンソンは古美術商ということでしたが、サイラス・ウィルキンソンの子孫だということですが(そもそもサイラス・ウィルキンソンが誰だ?という話ですが)なぜかヴィクトリア女王からの手紙も持っています。ベンの父パドリックの家に入り携帯をコピーして二人の会話を盗聴できるようにしています。それによってミッチーはベンの行動を把握し、アイテムを手に入れるとそれを奪おうとします。電話が盗聴されていることに気づかず、アイテムのヒントや内容をパトリックに電話で逐一報告するベンですが、アイテムを手に入れるたびに現れるミッチーに、途中で盗聴されているかもと疑ってもいいような気もします・・・。
二人ともアイテムを手に入れようと、お互い銃で応戦したりしますが、殺してまでどうこうしようとする気はないらしくアイテムを渡すとその激戦は終了します。最後の暗号が解けシボラへの入り口を探す段階になったとき、ミッチーはベンの母エミリーを人質として連れてきていますが、それも意味なく結局一人でベンについてシボラまで行くことになります。洞窟の中に入っても二人とも協力してシボラにたどり着きます。
ベンはミッチーが公表したブースの日記によって、アメリカを救った英雄からリンカーンを暗殺した共犯者として汚名をきせられます。現大統領を「大統領しか見ることのできない秘密の本」を読ませてもらうために誘拐したこともあって、どうあってもシボラを見つけないといけなくなりました。みんなの協力もあってシボラを見つけることができ無事汚名を晴らすことができたベンですが、ミッチーの「名を歴史に残したい」という願いを叶え、シボラ発見者にミッチー・ウィルキンソンの名前も載せてほしいと大統領に頼みました。
ベンジャミン・ゲイツをとりまく人たち
ディズニー映画ということもあってか、かならず宝が見つかります。しかも半端じゃない金の山で見つかります。しかし発見するまでのアイテム探し、暗号解読には専門的な知識や技術が必要でした。一歩間違えると、犯罪にもなりかねないことまでやっているため宝さがしという夢は抱いても、実際それで生活していくのには難しいことをほのめかしているようなストーリーとなっています。
ベンのまわりにはエキスパートがそろっていて、コンピューターのことであればライリー、公的な人との接触にはアビゲイル、古代文字の解読にかけてはエミリー、暗号解読にかけてはパトリックがいます。もちろんベンも考古学・歴史学には精通した人物です。ベンの両親は仲が悪く何年も口をきいていないようでした。原因はトレジャーハントにエミリーも出かけたいという思いがあったのに、その気持ちに全く気づかず自分だけ宝さがしに出て、子育てをしなかったパトリックに対する怒りからくるものでした。パトリックは宝を持って帰ることでエミリーを喜ばせようとしたみたいですが、そもそも宝さがしに出たい人に対しては的外れな行為でしかなかったようです。しかしシボラを発見し歴史的な遺産まで見つけることのできたエミリーは、今回の冒険でかなり満足したようでした。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)