バランスは難しい
今ではなくなってしまった「世界名作劇場」シリーズの一つでオリジナル作品。
主人公のナナミは赤ん坊のころからシャチのティコと共に育ち、一心同体という、非常に子供心をくすぐる設定。
成長した今はシャチの獰猛性を知っているのでとんでもないなと思うが、人ではない生き物と深く心を通わせるというのは老若男女問わず多くの人にとっては「ロマン」であると思う。恐らくスタッフは海の環境問題などに興味を持って欲しいという気持ちが少なからずあったのだろう。その為に人の「ロマン」を突いたのは上手い手法だったと思う。
ナナミとティコを通して保護動物やその生態を知ることも出来て良いアニメだったのだが、視聴率は低かった上に最終回は未放送という残念な結果に。
狙いは悪くなかったはずなのに上手くいかなかった理由は何だろう? と考えてある時ビデオを見返して気付いた。これ真面目過ぎる。ほのぼの要素もあるのだが、真面目な問題を扱っているため改めて見ると堅い印象があった。
だからほのぼの系のアニメや漫画は難しい問題に真面目に取り組まないのだなと、ストーリー性のバランスの難しさに気付いた。このアニメももう少し砕けた要素を取り入れていれば違う結果になったのかなと思う。
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