曹操の魅力
『蒼天航路』は、読んでわかるように、曹操目線で描かれた三国志である。他の三国志の漫画は劉備を中心に描かれていることが多いのだが、曹操がメインキャラクターになっているので、曹操好きにはたまらない展開になっている。というよりむしろ、これを読んで曹操が好きになる人が多いのではないだろか。私自身はそうだった。
もともと横山光輝氏の『三国志』を小学生のこのに愛読していたので、根っからの三国志好きで、昔は劉備や関羽、張飛の桃園の契りなどの兄弟愛にあこがれを抱き、そして夢中になった、曹操目線のこの『蒼天航路』を初めて読んだときに衝撃を受けた。蜀の武将についての基礎知識はまずまずあったが、魏の武将に関してこんなに深く描かれていることに驚いた(曹操の知識はそれなりにあったが)。
そしてなにより、臨場感あふれるタッチに目を奪われたことは否定できない。リアルな描写が、早く次を読みたいという衝動に駆り立てる。私的に面白くなってきたのは、10巻以降で、敗北する赤壁の戦いでの曹操の様子がとても斬新だった。これは、ほかの漫画では、味わえないと思う。
三国志演義よりは割と正史に近い印象を受ける。曹操のカリスマ性に惹かれ、はまること間違いなしだ。
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