西部劇らしくない西部劇 - シルバラードの感想

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西部劇らしくない西部劇

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

ジョン・ウェインなどの西部劇時代ではない私の世代では、一番しっくりするのはこの『シルバラード』である。

この映画のメインテーマはよくテレビで流れていたり、海外ではよくスポーツで使用されるがこの映画の題名や内容までは

あまり知られてはいないと思う。しかし、この映画の主役達が四人が馬に乗り並んで走り、この音楽がながれるだけで鳥肌が立つほどすばらしい。
主役の不器用な人間だけど、正義の為には考えを曲げられなく登場シーンでは下着(つなぎ一枚)姿で登場する男。

家族を大切にし、友情を大切にする無骨な兄と、二挺拳銃で凄腕だが女性に目がない弟。

黒人であるが故差別をうけつつ、家族を大切にし平安を願う男。

この四人がそれぞれの理由のために力を合わせて町の不正に立ち向かう。

だからといってお互いがやたらと仲良くこよしっていうわけでもなく、自然と向かう悪に向かってお互いが進んでいく、その横にはこの仲間がいるというかっこよさがいい。

この映画での役者達は乗馬・ガンテクニックなどを徹底的に体に染みつかせて演技でもとても自然であり、とくにスコット・グレンの何か起こりそうになる時に、ふっと上着をめくりいつでも銃を抜く準備をするというシーンがとても自然だ。

乗馬シーンではまだ若々しいケビン・コスナーが走っている馬に飛び乗ったり、鞍がついていない馬にも乗りこなしとても生き生きと演じていて観ているだけでも面白い。

ダニー・グローバーはショットガン使いだが、この時代の黒人への扱いに苦しみ、しかし仲間への信頼の演技。

登場シーンでの割れた酒瓶のかけらが一杯入ったお酒を飲むシーンは格別な笑顔だ。

そしてこの4人の中でも不器用で、仲間なんて・・という態度をとりながらも一番仲間や自分の周囲の人を心配するマイケル・クライン。

この映画の風景がまた美しい。砂漠の土地から雪山、川底の深さを馬で測りながらキャラバンが通る、開拓地でのパーティ、

そしていろんな人が集まり暮らすシルバラード。

西部劇ではあるが古臭いというわけでもなし、しかし正当性を感じさせる西部劇。

何かを守るために戦う男のかっこよさとはまさしくこの映画だと思う、そう思わせる作品である。



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