実話を元にした野島伸司作品。
「高校教師」を始めとした野島伸司脚本のシリーズ。
当時大人気の俳優、いしだ壱成を始めとした若手俳優達が体当たりで知的障害者を演じています。
そして野島伸司作品の常連、酒井法子も出演、
健常者で障害者に音楽を教えるももちゃん先生を演じます。障害者達と、ひょんなことから関わる女子高生で登場するのは、まだ初々しいながらも若手女優として注目されていた広末涼子。
体当たりすぎる障害者役の松本恵、小林正寛の演技は思わず目を塞ぎたくなるほど。
そして雛形あきこが美しい肢体を惜しまずに魅せたレイプシーンは生々しく衝撃的です。
知的障害者を聖者と例えながら、
その純粋さのあまり酷い扱いを受ける、残酷さをリアリティに描くこの作品は、あまりに痛々しいもので、まだ障害者に対し偏見が強かった当時の世の中に、問題提起をしている作品かもしれません。まさ野島伸司らしい作品と言えます。
そして衝撃のラストは思いがけないもので、最後まで見終わった時やっと、このドラマが残酷だけじゃなく伝えたいメッセージを持ったもののように思えます。
主題歌に起用されている、中島みゆきの楽曲「糸」は後の数十年も 歌いつがれる名曲となります。
この歌の表す、人の心の温かさ、結びつきこそが、このドラマの願いなのかもしれません。
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