初めて見た時は衝撃的でした
作品の始まりは、主人公ミヨリが親の離婚で都会から田舎の祖父母に預けられる事になる。
しかも家庭内が荒れていたため性格もキツくなり学校では孤立し、性格も荒んでいる。というような身近な正直ドロドロとした展開で始まります。
けれど森の精霊達や新しい友達、大自然の中で優しく正義感の強い勇気のある少女へと変わっていきます。
そして森が村がダムに沈むかもしれないという危機に直面した時、ミヨリは精霊達と力を合わせ森を守ります。
私がこの作品に一番心惹かれたのは何よりミヨリの変化。
周りも自分すらも信じられない、自分は一人で生きていく。というようなドライな性格だったのが精霊達に振り回され、田舎の子供達独特な人懐っこくて多少キツイ事を言われても軽く流せるような…気軽で優しい子供達とのふれあい。都会では意地を張って終わりだったのに、田舎のガキ大将相手にそれは通じなくてドッチボールや鉄棒ではライバルの様に張り合う。そんな姿が微笑ましくて、「自分にもこんな風にぶつかれる友達が居たなぁ」「こんな風に遊んだなぁ」と小学生の頃の友達を思い出して会いたくなりました。
そして周りに心を開いて素直になり、森や自然を大切に思う気持ちが芽生えた時。森のために立ち上がった時のミヨリのカッコ良さと言ったら…!小学校6年生の少女が大勢の大人相手に精霊達の力を借りて堂々と立ち向かう姿がとても凛々しく、雄々しくけれど森を愛する優しさが溢れる。そんなミヨリがとても印象的でした。
背景や効果がとても綺麗で、音楽が場面を凄く彩って作品にぐっと引き込まれる様な感覚になりました。森のBGMも水の音や鳥の声、風の音などがとても気持ちが良くて懐かしい感覚の中作品が進んで行くし。水や風のイメージ楽曲はとても落ち着きがあるのに、戦いの場面では太鼓をメインにしたBGMだったのでドキドキさせられる。正直私はサウンドトラックだけでもこの作品が好きだなと思えます。
ストーリーも無理なく進むし、キャラクターの個性も一つ一つが大切にされていた様な気がします。それから各メインキャラクターとミヨリとの関係がしっかり描かれていたのも印象的でした。
人と人だけでなく人と自然がどう繋がって、どう関わっているのか。人は自然に育まれ、自然によって生かされているんだなとも考えさせられました。私にとってこの作品は人間関係と自然の事を深く考えるきっかけをくれる作品でした。
この作品を初めて見たのは中学生だったので、尚更心に刺さる場面が多く考えさせられる事も多かったので記憶に強く残ったのだと思います。
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