2つの読み方 - 11枚のとらんぷの感想

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11枚のとらんぷ

4.504.50
文章力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
5.00
演出
5.00
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1
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2つの読み方

4.54.5
文章力
4.0
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
設定
5.0
演出
5.0

この作品は二つの楽しみ方がある。

一つは推理諸説。

もう一つは奇術の入門書だ。

推理小説としては緻密な伏線を張り巡らし、最終的にきちんと回収している。

作者がマジシャンということもあり、まるで手品を見たかのような鮮やかなプロットとなっている。

第Ⅱ部の作中の小説が事件解決の糸口になるという手法は、読者を観客と認識していると感じさせる。

第Ⅱ部では奇術タネ明しを含めたショートショートとなっており、オチがしっかりしておりこれだけでも一つの作品として楽しめる。

第Ⅲ部は世界国際奇術家会議と事件の解決編だ。

探偵役の解説により、これまでの伏線が回収され、犯人が特定される。

第Ⅱ部と第Ⅲ部に二つ目の楽しみ方がある。

それはマジシャンとしての楽しみ方だ。

この本を読む人は、奇術に興味のある人、それは見る方もだが、実際に演じている人も少なくはないだろ。

私自身も奇術に興味があり、演じる中でこの本と巡り合った。

第Ⅱ部のタネはもちろんのこと、第Ⅲ部をはじめ作中で頻繁にあるマジシャン同士のやりとりは、奇術に対するモチベーション向上させてくれる。

奇術に対する考え方も多く出てきており、奇術を演じる上での入門書ともなりうる作品である。

奇術を演じる中で挫折しそうになったときには読み返そうと思う。

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