11枚のとらんぷの評価
11枚のとらんぷについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
11枚のとらんぷの感想
2つの読み方
この作品は二つの楽しみ方がある。一つは推理諸説。もう一つは奇術の入門書だ。推理小説としては緻密な伏線を張り巡らし、最終的にきちんと回収している。作者がマジシャンということもあり、まるで手品を見たかのような鮮やかなプロットとなっている。第Ⅱ部の作中の小説が事件解決の糸口になるという手法は、読者を観客と認識していると感じさせる。第Ⅱ部では奇術タネ明しを含めたショートショートとなっており、オチがしっかりしておりこれだけでも一つの作品として楽しめる。第Ⅲ部は世界国際奇術家会議と事件の解決編だ。探偵役の解説により、これまでの伏線が回収され、犯人が特定される。第Ⅱ部と第Ⅲ部に二つ目の楽しみ方がある。それはマジシャンとしての楽しみ方だ。この本を読む人は、奇術に興味のある人、それは見る方もだが、実際に演じている人も少なくはないだろ。私自身も奇術に興味があり、演じる中でこの本と巡り合った。第Ⅱ部のタネは...この感想を読む