小市民の夏休みの様子が描かれています
小市民シリーズの2作目です。 前作を読んでいること前提の作りとなっています。
小鳩くんと小佐内さんは相変わらず小市民を目指しています。
小市民を目指すといっても自分たちの心まで小市民となることを目指しているのか、それとも学校関係等のあくまでうわべだけの印象を小市民として見せることを目指しているのか、前作は二人の関係、性格をいちごタルトと自転車泥棒のたくらみと一緒に明らかにしましたが今回は小市民を目指すとは?ということに触れている作品だと思います。
仮に自分たちの心まですっかり小市民となることを望んでいるなら、「小市民を目指す」と思っているうちは永遠に不可能なのでは? 読者が前作から感じていたのではないのか、という疑問に二人もぶちあたります。
そして二人の出した結論は「一緒にいても仕方ないから関係を解消しよう」 恋人でも友人でもない互恵関係の二人、あっさり関係を解消してしまいます。
伏線が回収されても謎が解かれても、読者の心は解決されません。でもそれと同時に続編への期待がどんどん膨らんでいきました。
ミステリー作品としては前作同様あっさりした謎が多いです。というか、登場人物が少ないので必然的に犯人や事件の関係性がつかみやすい。 一緒に読者が謎を解きながら楽しむ小説、というより二人の成長を見守っていく小説だと思います。
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