小市民の夏休みの様子が描かれています - 夏期限定トロピカルパフェ事件の感想

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夏期限定トロピカルパフェ事件

4.134.13
文章力
4.38
ストーリー
4.75
キャラクター
4.75
設定
4.13
演出
3.88
感想数
4
読んだ人
5

小市民の夏休みの様子が描かれています

3.53.5
文章力
4.5
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
3.0
演出
3.5

小市民シリーズの2作目です。 前作を読んでいること前提の作りとなっています。

小鳩くんと小佐内さんは相変わらず小市民を目指しています。

小市民を目指すといっても自分たちの心まで小市民となることを目指しているのか、それとも学校関係等のあくまでうわべだけの印象を小市民として見せることを目指しているのか、前作は二人の関係、性格をいちごタルトと自転車泥棒のたくらみと一緒に明らかにしましたが今回は小市民を目指すとは?ということに触れている作品だと思います。

仮に自分たちの心まですっかり小市民となることを望んでいるなら、「小市民を目指す」と思っているうちは永遠に不可能なのでは? 読者が前作から感じていたのではないのか、という疑問に二人もぶちあたります。

そして二人の出した結論は「一緒にいても仕方ないから関係を解消しよう」 恋人でも友人でもない互恵関係の二人、あっさり関係を解消してしまいます。

伏線が回収されても謎が解かれても、読者の心は解決されません。でもそれと同時に続編への期待がどんどん膨らんでいきました。

ミステリー作品としては前作同様あっさりした謎が多いです。というか、登場人物が少ないので必然的に犯人や事件の関係性がつかみやすい。 一緒に読者が謎を解きながら楽しむ小説、というより二人の成長を見守っていく小説だと思います。

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他のレビュアーの感想・評価

小市民シリーズ

小市民になりたいそんなアホな。誰かに向かってそう言ったわけではなく、読んでいたらついそういう声が出てしまったのだ。こんなセリフを聞かされて「なるほどそれは立派なことだな」と同意を示す人などはまずおるまい。本来この言葉には「侮蔑」のニュアンスがあるのだ。自分をわざわざ貶めるような目標を持つ人間などあるはずはないと、誰もが考える。しかしそれこそが作者・米澤穂信の作戦であったことに、やがて気づかされる。小市民って?目薬をさすとき無意識に口を開けてしまう、おまわりさんとすれ違うと意味もなく緊張する、靴を履いたまま膝で歩いて忘れ物取りに行く。それが小市民だと言った(歌った)のは嘉門達夫である。もちろんこれはネタである。もう少しリアルな定義をすると、小市民とは平凡であることを信条とし、皆と同じことをちょっとだけ早くできると得意がる。世間体が大切で自分は中流だと信じて疑わない。出るほどに打たれるとい...この感想を読む

4.54.5
  • 北風北風
  • 451view
  • 2740文字
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