すべてが上質なシンプルさでできています - かもめ食堂の感想

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映画レビュー数 5,784件

かもめ食堂

4.004.00
映像
4.00
脚本
3.50
キャスト
4.10
音楽
3.60
演出
3.90
感想数
5
観た人
7

すべてが上質なシンプルさでできています

4.54.5
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

某製パン会社のCMで映画の端々が紹介されるので、気になって鑑賞しました。 主要登場人物は日本人。フィンランド人相手に日本の料理を提供するという誰も考え付かなかったお店をオープン。最初はほとんどお客さんが来なかったけれど、日本好きの若者が来て、それから少しずつぽつりぽつりとお客さんが増えて、映画の最後のほうでは満員御礼の盛況ぶり。 店主のすばらしいところは、お客さんが来ないからといってムリに呼び込みしたり、フィンランド人のニーズに合わないことをしなかったことです。自分たちはあくまで外国人。この食堂のよさをきっとわかってくれる人がいると信じて、毎日食器を磨き上げ、プールで泳いだり合気道を続けて体力をつけ、帰宅してからも家事をおろそかにしない、当たり前のことを当たり前に続けるという心の強さが印象的でした。 また、お店が繁盛してもそうでなくても、周りに流されないで自分をしっかり持つことが大事だとこの映画から伝わってくるのがわかりました。 食堂が満員になるまで時間がかかりますが、その間、のちのかもめ食堂のスタッフになる女性たちとの出会いと友情も描かれます。劇中、ヴァンター国際空港の美しく整然とした様子や、ヘルシンキの港町、食べられるきのこが生える森、水色の空、まっしろな雲、市場を彩る野菜や果物の緑や赤や黄色。映像美が素晴らしく、今までフィンランドに興味はなかったのですが、この映画を見て一度フィンランドに行きたくなりました。

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ヘルシンキを舞台に展開される、ゆる~い物語

とにかくゆるい不思議な映画『かもめ食堂』は、群ようこ原作の小説を映画にした作品だ。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこという個性派女優を主役に迎え、フィンランドはヘルシンキに居を構える「かもめ食堂」の日常を描く。映画『かもめ食堂』にストーリーというストーリーはない。大きな物語の変動も、恋もサスペンスもない。三人の女性(おそらく全員未婚だ)が、異国の地でたまたま出会い、居心地の良い場所・ヘルシンキの「かもめ食堂」で日々を過ごしていくというだけの話。かもめ食堂は、最初は客こそ少なかったものの、徐々に人が増えだし、やがて満席になったところで物語は終わる…というなんともいえないエンディングを迎える。いかにも女性作家が書いた文学作品らしいストーリーで、そういったノリが好きではない人には向かない作品であろう。筆者も女性的な文学作品はさほど嫌いではないが、たとえば客が増えだす流れや、日本食があっさりと...この感想を読む

3.53.5
  • すらりすらり
  • 226view
  • 2234文字
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