かもめ食堂の感想一覧
映画「かもめ食堂」についての感想が5件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
ヘルシンキを舞台に展開される、ゆる~い物語
とにかくゆるい不思議な映画『かもめ食堂』は、群ようこ原作の小説を映画にした作品だ。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこという個性派女優を主役に迎え、フィンランドはヘルシンキに居を構える「かもめ食堂」の日常を描く。映画『かもめ食堂』にストーリーというストーリーはない。大きな物語の変動も、恋もサスペンスもない。三人の女性(おそらく全員未婚だ)が、異国の地でたまたま出会い、居心地の良い場所・ヘルシンキの「かもめ食堂」で日々を過ごしていくというだけの話。かもめ食堂は、最初は客こそ少なかったものの、徐々に人が増えだし、やがて満席になったところで物語は終わる…というなんともいえないエンディングを迎える。いかにも女性作家が書いた文学作品らしいストーリーで、そういったノリが好きではない人には向かない作品であろう。筆者も女性的な文学作品はさほど嫌いではないが、たとえば客が増えだす流れや、日本食があっさりと...この感想を読む
日常と非日常が上手く融合した作品。
フィンランドのヘルシンキで、和食を提供する食堂を経営する日本人女性サチエと、そこに集まってくる少し個性的な人たちとの日常を描いた作品。大きな事件が起こったりするわけではありませんが、登場人物たちの生活や、買い物・食事などの日常のシーンがとても丁寧に描かれていて画面に見入ってしまいます。特にごはんやお菓子がとてもおいしそう!設定はちょっと現実感がないような部分もあるのですが、それはベテラン俳優陣の落ち着いた演技と、センスのある演出で上手くカバーしていてあまり気になりませんでした。フィンランドに旅してみたくなるような、不思議な雰囲気を持った味のある作品です。
ゆっくりした時間の流れを感じる映画
PASCOのパンのCMとコラボしたのでも有名な映画です。CMでも料理が美味しそうでした。フィンランドの空気はきっと綺麗なんだろうなと思える映像で、料理がとても美味しそうで、まったりのんびりした気分で見られる映画です。心が疲れてしまった時観るのが良いかもしれません。食堂でのフィンランドの人々との触れあいにほっこりしたり、気持ちが和む映画です。フィンランドの自然の美しさや空気感を映像で感じ取れます。映像が綺麗な映画です。女性の自分探しがテーマの映画のようにも感じたり、ただそこにある変わらない日常を丁寧に録った映画であるように感じたりもしました。料理が美味しそうなのでお腹を空かせた状態では観ない方が良いかもしれません。
すべてが上質なシンプルさでできています
某製パン会社のCMで映画の端々が紹介されるので、気になって鑑賞しました。主要登場人物は日本人。フィンランド人相手に日本の料理を提供するという誰も考え付かなかったお店をオープン。最初はほとんどお客さんが来なかったけれど、日本好きの若者が来て、それから少しずつぽつりぽつりとお客さんが増えて、映画の最後のほうでは満員御礼の盛況ぶり。店主のすばらしいところは、お客さんが来ないからといってムリに呼び込みしたり、フィンランド人のニーズに合わないことをしなかったことです。自分たちはあくまで外国人。この食堂のよさをきっとわかってくれる人がいると信じて、毎日食器を磨き上げ、プールで泳いだり合気道を続けて体力をつけ、帰宅してからも家事をおろそかにしない、当たり前のことを当たり前に続けるという心の強さが印象的でした。また、お店が繁盛してもそうでなくても、周りに流されないで自分をしっかり持つことが大事だとこの映...この感想を読む
きれい、かわいい、おいしそう。
群ようこさん原作のフィンランドを舞台にした日本映画。主人公の3人、小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさんのキャスティングが素晴らしくよかったです。物語そのものと、フィンランドのゆったりした雰囲気にぴったりでした。映画に出て来るおにぎりやシナモンロールは、フードコーディネーターさんのお陰か、本当においしそうで観終わったらお腹が空いてしまいます。毎回観るたびに、おにぎりが食べたくなるし、シナモンロールのいい匂いが画面から漂ってくるようです。フィンランド人のお客さんたちものんびりしていて面白くて、とてもチャーミングな人たちで、観るだけで心癒される映画でした。