トイレットの評価
トイレットの感想
荻上監督オリジナル脚本の映画
荻上 直子作品の中で一番青くない荻上 直子監督作品は、「めがね」や「かもめ食堂」や「プール」や…色々ありますが中でも異色なのが、本作「トイレット」ではないでしょうか。まず、気づきます、「あ、もたいさんしか出てない」と。荻上作品にいる、いつものメンバーがいない。小林聡美や加瀬亮やすっきりほっそりした若い女性も片桐はいりもいません。もたいまさこと外国人の出てくる映画です。それで、外国人は、普通のそこらへんにいるような若者外国人です。もたいさんの出す底知れない雰囲気と混ざり合うような、意味深な部分やミステリアスさは全く持ち合わせていない外国の若者。このコントラストが、これまでとは違うぞ、と予感させてくれます。いつもは雰囲気のある役者が、皆そろって雰囲気を出すから、映画全体がとってもムーディーな感じですよね。そこが好きな方が多い。セリフもあんまりないままに語ってくるのが荻上作品の常だったのに。そ...この感想を読む
もたいまさこさんは素晴らしい女優さんです。
かもめ食堂の荻上直子監督の、全編英語というめずらしい作品。母を亡くした3人兄弟の家にやってきた日本人のばーちゃんとの日常を描いた作品ですが、ばーちゃん役のもたいまさこさんは全くしゃべらないにも関わらず、ものすごい存在感です。言葉が通じないため、彼女の行動をあれこれ想像する兄弟の言動が面白い。個性的な3人とばーちゃんが、会話をせずに心を通じ合わせていく様子がほほえましくもあり、妙にコミカルでおかしいです。ストーリーに、題名にもなっているトイレットというキーワードが上手く使われているのもよかったと思います。ラストは少しせつないですが、家族の温かさを描いた良い作品です。
沢山の無駄は実は必要な無駄だったのだ
舞台はアメリカ、母子家庭、日本人の母親が3人の子供たちを育て上げて死んでしまった、そこに日本からばーちゃんがやってきた。ばーちゃんは日本語しかしゃべらない。2人の青年と1人の妹だが、これら皆日本語ができない。これも面白かったです、単純にこういうことも有るんだろうなと妙に現実味のある話で、上のにーちゃんはお頭が良いのだけど、とんでもなくオタクで人形を集めて一人で楽しんでるようなお人。下のにーちゃんは母を思い出してミシンを踏みたいとばーちゃんに強請ります。ここの家庭の皆は人に振り向きもされない事に夢中になるんですが、ばーちゃんが彼らの後押しをします。ばーちゃんはしゃべらないのですが、非常に饒舌なのです。ばーちゃんを囲んでばらばらの兄弟たちは再度兄弟として生まれ変わります。不思議な映像で理解されないと認識したところから、理解が始まります。無駄な事をしてるような時間が実際は無駄ではないのだと、何も...この感想を読む