冤罪でも、死刑の電気椅子に向かう「グリーンマイル」
スティーブンキング原作の作品で、同様に牢獄、監獄ものの「ショーシャンクの空に」があるが、内容は全く対照的で、結末も真反対の結果が面白い。 元より、キング原作の作品は人間の業を徹底的に追及して、超常やホラー現象にまでしてしまう奇抜な面が多いようです。 グリーンマイルといいう意味は、人間が死を迎えるときに通らなければならない必然的なロードで、そこには人間の性(さが)を選択する余地はない。 そして、その結果が冤罪と分かっていても死は死なのである。 この映画は、冤罪がテーマのような気もするが、どうも其ればかりではないし、人間の理不尽、不条理さや愛情も絡めて生の醜悪さと尊厳が併せ持ち、それらの人間臭さを超常現象を織り交ぜて、進行して行く秀作なのです。 巨体の黒人死刑囚コフィーが送られてくるが、そのコフィーが不思議な力で周囲の人を癒してゆく。 看守長のポール(トム・ハンクス)は、彼が殺人者でないと悟るが、法の壁は崩されることなく、無実のコフィーを死刑に処してしまう。 3時間を越える長帳場の映画であったが、一瞬でもダラケた処が無く、一気に見せてしまう秀作である。 主演のトム・ハンクスはもとより、脇を固める俳優陣も個性的で中々良い。
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