どんどん成長していく姿が楽しみ
大人気の『ハリー・ポッター』シリーズの3作目です。前作までと、ダンブルドア校長の役者さんが変わってしまいましたが、個人的にはどちらの役者さんも甲乙つけがたい良さだと思います。 3作目では、ハリーは両親の死の真相を知ることになります。まずは、魔法使いたちが真実だと思い込んでいた偽りの事件を知り、さらに、仇だと思っていたシリウスと向き合う中で、真の裏切り者の狡猾なからくりを知ります。その過程で、どんどん成長していくハリーの姿には、ハラハラしたり、すがすがしかったり、感心したり、目が離せません。もちろん、ハリーの親友であるロンやハーマイオニーも、ハリーに負けず大人になっていきます。そして、友情の絆も強くなっていきます。 そんな成長や友情は、大人になると忙しい毎日にまぎれて忘れてしまいがちなので、何か大切なものを思い出させてくれる気がします。 また、この作品では、不慮の事故で狼男となってしまったルーピン先生を通して、差別感情という暴力を思い知らされます。それは、エイズであったり、ハンセン病であったり、精神病であったり、障害であったり、異質なものをつい恐れてしまう、日頃の自分を省みるきっかけになりました。 原作は、子ども向けの作品ではありますが、キャラクターたちの背景には一切の手抜きがありません。大人でも十分楽しめる作品だと思います。
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