ハリーの父ジェームズ・ポッターとその友人たち - ハリー・ポッターとアズカバンの囚人の感想

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ハリーの父ジェームズ・ポッターとその友人たち

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

「叫びの屋敷」は友情の屋敷

「叫びの屋敷」とはイギリス一怖い幽霊屋敷として有名なところです。満月の夜になると恐ろしい叫び声が聞こえるところからこの屋敷の名前がつけられています。しかし実は幽霊屋敷というのは真っ赤な嘘で、人狼であるルーピン先生が学生のとき満月の夜になると変身してしまうので、ほかの生徒に危害を加えないよう「暴れ柳」の木の下に入り口を作り、狼になっている間隠れる場所としてダンブルドアが用意した屋敷でした。ハリーの父ジェームズたちが、月に一度姿を隠すルーピンを心配してあとをつけたことで、ルーピンが人狼だということが分かり、自分たちもアニメーガスとなって月に一度4人がこの「叫びの屋敷」で夜を過ごしたということです。

ダンブルドアはルーピンたちの在校中は3人がアニメーガスになっていたことは知らなかったようです。しかし、「不死鳥の騎士団」で犬になったシリウスがハリーを見送りにキングス・クロス駅まできたときに、マッド・アイが「バカ犬め」と言ったところからこのとき以降は知られているのでしょう。

アニメーガス(動物もどき)

シリウス・ブラックは犬、ピーター・ペティグリューはネズミと自分の意思で動物になることができるのがアニメーガスです、ということでナイト・バスに乗る前にハリーが見た黒い犬はシリウス・ブラックです。そして劇中では登場しませんが、ハリー・ポッターの父親ジェームズ・ポッターもアニメーガスで、守護霊と同じ牡鹿です。自分でなりたいときに動物になれるのがアニメーガスですが、変身する動物を自分で選ぶことはできないようで、自分の性質に一番近い動物になるそうです。なのでジェームズ・ポッターが守護霊と変身する動物が同じなのも納得できるでしょう。ちなみに「賢者の石」で猫に変身していたマクゴナガル先生ですが、彼女もアニメーガスです。アニメーガスになった魔法使いは魔法省に登録されますが(もちろんマクゴナガル先生は登録されています)、シリウス・ピーター・ジェームズの3人は魔法省には登録されていません、非合法のアニメーガスということになります。

アニメーガスが動物に変身すると吸魂鬼には見えなくなるそうです。そのために魔法省はアニメーガスを登録しています、なぜなら犯罪者がアニメーガスの場合脱獄しやすくなってしまうからです。シリウスも犬になって脱獄をしました。本では日刊予言者新聞に載っていたウィーズリー一家のエジプト旅行の写真に、ネズミになっているピーター・ペティグリューの姿をみてジェームズとリリーの仇をうつために脱獄しています。変身した姿を間近でずっと見ていたからこそわかったのでしょう。

クルックシャンクスは名探偵

映画のはじめからクルックシャンクスが執拗にスキャバーズを追っかけてまわるシーンがあります。猫の野生の感でスキャバーズがアニメーガスであることを感じていたのでしょう。本では「叫びの屋敷」にクルックシャンクスもいて、シリウスに攻撃しようとするハリーを止めるために、シリウスのそばを離れません。猫なのでネズミを追っかけまわしても不思議な光景ではないので、思わず見落としてしまいがちですが、クルックシャンクスとしてはみんなに何かを知らせようとしていたのかもしれないですね。飼い主に似てとても賢い猫です。

ハリーの父ジェームズ・ポッターの同級生が大集合

ハリーが知ることのできなかった両親の話が多く出てきます。シリウス・ルーピン・ピーターはもちろん、スネイプも同級生の一人です。寮は違っていたのですが両者の関係はハリーとドラコたちと同じように仲はとても悪かったようです。ハリーたちと違っているのは、対等にやりやっているというよりは一方的にスネイプがジェームズたちにいじめられていたというところです。そのいじめに対する恨みが、顔のソックリなハリーに向かうのも無理はないでしょう。同級生が集まるということで、今まで知られなかったハリーの両親の姿が明らかになりますが、リリーの方は誰から話を聞いてもとても優しい人なのに対し、ジェームズの方は誰から話を聞いても問題を起こす天才です。そんな二人がどうして結婚するに至ったのかはとっても不思議なところですが「おまえの父親は卑劣だった」というスネイプ先生の言葉からも、相当ひどいことをしていたのは明らかですね。

ルーピンはピーターの存在が明らかになるまで、ジェームズとリリーを裏切ったのはシリウスだと思っていました。それはシリウスが二人の「守り番」になっていたからです。最後の最後でピーターを「守り番」にしてやってほしいと二人に頼んだのはシリウスで、そのことはハリー夫妻とシリウス・ピーターだけしかしらないことだったので、誰もピーターが裏切ったとは思わなかったのでしょう。ハリーをダーズリー夫妻のところへ連れてくるためにハグリッドが乗ってきたバイクは、シリウスのバイクでしたが、裏切ったのがシリウスだとしたらバイクを返しにハグリッドが戻るまで家にいたら、実に間抜けだったということになりますね。


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他のレビュアーの感想・評価

どんどん成長していく姿が楽しみ

大人気の『ハリー・ポッター』シリーズの3作目です。前作までと、ダンブルドア校長の役者さんが変わってしまいましたが、個人的にはどちらの役者さんも甲乙つけがたい良さだと思います。3作目では、ハリーは両親の死の真相を知ることになります。まずは、魔法使いたちが真実だと思い込んでいた偽りの事件を知り、さらに、仇だと思っていたシリウスと向き合う中で、真の裏切り者の狡猾なからくりを知ります。その過程で、どんどん成長していくハリーの姿には、ハラハラしたり、すがすがしかったり、感心したり、目が離せません。もちろん、ハリーの親友であるロンやハーマイオニーも、ハリーに負けず大人になっていきます。そして、友情の絆も強くなっていきます。そんな成長や友情は、大人になると忙しい毎日にまぎれて忘れてしまいがちなので、何か大切なものを思い出させてくれる気がします。また、この作品では、不慮の事故で狼男となってしまったルー...この感想を読む

4.54.5
  • 月読三葉月読三葉
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  • 567文字

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