バンド・オブ・ザ・ナイトの評価
バンド・オブ・ザ・ナイトについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
バンド・オブ・ザ・ナイトの感想
今までよりも深い実生活の切り売りに感じる小説
大島は中島この小説はフィクションの形をとっているけれど、きっとほぼノンフィクションであると思われる。内容はほぼ自叙伝になっているのでないだろうか。今まで読んだ中島らもの作品だと「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」「頭の中がカユいんだ」とかだけど、どれも自叙伝的要素が強い作品だった。でも今回のこの作品「バンド・オブ・ザ・ナイト」はそれらよりも尚一層人生を切り売りして書かれているような、人生をさらけ出しているような印象を受ける。今まで読んだ中ではすべて第三者からは中島なり、らもんなりと呼ばれていたけれど、この本で初めて主人公を「大島」とし、フィクション風味を出してきている。他の本と共通する経験談を話している以上限りなく中島らも本人に近いのだろうけどすべてがすべてではないという一種の矜持なのか、登場する他者への思いやりなのかわからないけど、まあ大島は中島らもと思って間違いないだろう。話の内容が...この感想を読む