杜子春の評価
杜子春についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
杜子春の感想
原典と比べて
『杜子春』について芥川龍之介の『杜子春』は完全オリジナルではなく、モデルとなった作品があります。原典は、中国の『続玄怪録』に収録されている「杜子春」という話です。貧乏になった男が老人と出会い、はじめは金銭をもらっていたが、後半は老人のもとで仙人の修行をして失敗におわるという物語の大まかな流れは同じです。しかし、芥川龍之介は自分流に書き直しています。そのため、芥川の『杜子春』と原典とを比べると多くの相違点がみられます。例えば、登場人物の人間像や試練の失敗理由です。この2つは原典と大きく違っています。芥川龍之介がなぜ大きく変更したのか考察してみたいと思います。登場人物の人間像原典では、老人が杜子春に金銭を直接手渡しで渡します。また、杜子春にこのお金で生活を立て直して欲しいと望んでいます。しかし、芥川の『杜子春』では金銭の直接な受け渡しはなく、黄金が埋まっている場所を教えるだけです。また、黄...この感想を読む