汝が聖杯を見つけるのではなく、聖杯が汝を見いだすのである。
リー・ティービング
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ダ・ヴィンチ・コードは、アメリカの小説家ダン・ブラウンが書いた長編推理小説で、2003年に発表され、日本では2004年に刊行された。ラングドンシリーズの第2作目の作品で、2015年時点で、第4作目まで発表されている。 作品の内容は、ルーブル美術館館長の死体が発見され、宗教象徴学教授の主人公ラングドンの元に、フランス警察から事件の見解を依頼されるが、犯人と疑われてしまう。館長の孫娘と一緒に警察から逃れながら、館長が残した暗号を解明するため奮闘する話である。シオン修道会やレオナルド・ダ・ヴィンチなど、実在する団体や歴史人物が登場し、フィクションとノンフィクションが入り混じっているのが特徴である。 2006年には映画化され、主人公はトム・ハンクスが演じた。宗教色が強い映画であるため、賛否両論の意見が出た作品であったが、興行収入は全世界で7憶5,000万ドルと成功を収めている。原作と映画では多少の相違点はあるが、大幅なストーリー展開は変えられていない。
上中下巻。映画化された作品を何度も見ようと試みたが、いずれも途中で飽きて眠くなってしまうので、本で読もうと思い読み始める。小説は飽きるどころか夢中で読んだ。最後の晩餐、岩窟の聖母、フィボナッチ数列等々の謎について解きほぐしていく過程が面白い。宗教に隠された歴史が謎と絡み合っており、展開が読めないのでわくわくしながら読み進むことができる。宗教が絡んでくると歴史的背景に詳しくない者にとっては理解が難しく、読みとばしてしまう人も多いかもしれない。しかし、ミステリーとしてテンポよく書かれているので分かりやすい。西洋の歴史や宗教や絵画について興味が出る一冊。
美術が好きな人、パリを旅行したことがある人にとっては、とても刺激的で興味深いストーリーだと思います。メインの登場人物はフィクションですが、舞台となるのは有名な観光地だったり、有名な絵画が謎を解く鍵になっていたり、物語のあちらこちらに実在の要素が散りばめられているので、どこからどこまでが事実なのか判らなくなってしまいます。登場人物全員が謎めいたものを持ち、誰が味方なのか、どこへ向かえば安心なのかも判らぬまま、とりあえず謎を解きを始めるというところが、巨大なミステリーの渦の中に巻き込まれていくような感覚を与えます。しかも解いても解いても次の謎が出てきて、ずっと何かに追われている感じがします。
リー・ティービング
ラングドン教授たちに協力して、聖杯の謎を解こうとしていた時に、ティービングの脳裏をよぎった古の言葉(聖杯伝説の根幹をなす)