わるいのは人間自身なのさ。天国を与えられていたのに、不幸になるのを承知の上で、自由なんぞを欲し、天上の火を盗んだんだからな。つまり、人間なんぞ憐れむことはないってわけだ。
イヴァン・フョードロウィチ・カラマーゾフ
理解が深まる小説レビューサイト
小説レビュー数 3,368件
「カラマーゾフの兄弟」は、フョードル・ドストエフスキーによる長編小説であり、著者の遺作となった作品である。1879年にロシアの文芸雑誌に連載され、1880年に単行本化された。 この小説は、全4部、12編で構成されている。そりがあわない父親・フョードル・カラマーゾフを殺害したと嫌疑をかけられた長男・ドミートリーと、頭の切れる二男・イワン、素直で敬虔な三男・アリョーシャ、そして三兄弟をめぐる女性たちを描いた物語である。女性をめぐる愛憎や、家族同士の軋轢だけでなく、神とは・信仰とは・倫理とは?といった、宗教色の強い作品であり、著者の作品の中でも「罪と罰」に並ぶ最高傑作であると評価されている。 1921年にドイツで映画化されたことを皮切りに、世界各国で映像化・舞台化されている作品である。日本では劇団四季で舞台化された他、舞台を日本に置き換えて宗教色を割愛した形で、2013年にフジテレビにてテレビドラマ化もされた。
イヴァン・フョードロウィチ・カラマーゾフ
弟へ自らは事実に即していたいという自己主張と言い訳のため