ナラタージュの感想一覧
島本 理生による小説「ナラタージュ」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
島本理生 ガチの恋愛小説 その秀逸さと稚拙さ
島本理生、初の書きおろし作品!本作は2005年に発行されている。島本理生にとっては初の書きおろしで、執筆開始当初に予想したより枚数が大幅に増えてしまったらしく、読者が呼んでくれるか心配した、というエピソードが残っている。しかし出版されるとすぐにヒットし、2006年、宝島社の「この恋愛小説がすごい!」で第1位という評価を得た。読んだ後で知ったのだが、近く映画化もされると言うことで、今後も彼女の代表作という扱いの作品であることは疑い得ない。作者が書きたいことを、すべてを凝縮し(中略)たら、この本になりました、というこの時期の彼女を表す一作でもある。わたし自身の感想としては、主人公二人の恋愛の描写や顛末は秀逸、しかし脇のキャラたちが上手く主題に絡めず邪魔、というところだ。以下で詳細に分析していこう。 ○○賞候補が多い島本理生本作は山本周五郎賞の候補作になったものの、大賞は取れなかった。上記の...この感想を読む
正直しんどい。
読み進めば進むほどダルダルで、正直しんどかったです。途中で読むのを止めればよかったです。高校教師の葉山先生と元生徒で女子大生の泉の不毛な愛。だらだらとプラトニックな関係が続くと思いきや、体の関係を持って思い出作って終了。っと思いきや、ラストは社会人になった泉がようやく人生を共にするパートナーと新しい道を歩みだすところに、ひょんなことで葉山先生の影がちらつき、想い出が溢れてしまうという…。美しい終わり方でしたが、私は最後の最後までこの作品に全く同調できませんでした。ただし、こーいう落ち着いた純文学っぽい文体は好みなので、著者の他の作品に期待します。
なんとも言えない、切ない気持ちです。
この作品は文章や言い回しがすごくキレイで読みやすいです。うまいな、と思います。ただ、内容は賛否両論あるんじゃないかなと思います。主人公目線でみれば、すごく切ない純愛の物語、主人公の彼目線だと苦しいだけの恋愛、先生目線だといやなことからの逃げ道。第三者目線だと、道を外した痛々しい恋愛模様。どこに視点を置くかで内容への理解もまったく違うものになります。ただ、先生をズルイ、彼をヒドイ、と一概に言えるものでもなく、だからといって主人公がすべて悪いわけでも、いいわけでもない。人の気持ちはいつだって正しくはいられない、歯車が少しずつずれた結果だったんだと思います。いろんな目線からこの本を読んでみるのも面白いと思います。人間、誰だって正しくはいられません。ダメだとわかっていても止められない気持ちはあると思います。
葉山先生・・・ずるいなー。
本屋さんで、一番人気の恋愛小説!と当時飾られていたので、すぐ手にとったのを覚えています。拝見して、まず思ったのは、葉山先生、ズルイです。ズルイ男すぎます。こういう人っていますよねー。泉が自分に好意がある事を解っててやってるんだろその行動!!と思える行動が多々出てきます。 そして、泉も、きっと過去に本当に大好きだった先生からの連絡に心動かされてしまったんでしょうね。。 恋愛って、きっとちゃんと終わらせてないと、例え片思いとはいえ終わってないんだろなと思います。泉も卒業式で先生からのまさかのキスという出来事のまま会わない期間があっての連絡だったので、きっと自分の心の片隅にしまっておいた忘れようとしていた恋が爆発したんだろなと思いました笑 小野君のキャラも結構強烈でこのお話には無くてはならない人物ですが、小野君の取った行動も完全否定はできない。。。そしてラストはもうとても切ないです涙。女性は...この感想を読む