死神の精度の評価
死神の精度についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が5件掲載中です。
各項目の評価分布
死神の精度の感想
死のせつなさ
”死神”が主人公の連作短編集。彼自身が人間を殺すようなことをするわけではなく、選ばれた人間が死ぬにふさわしいかどうか、「可」か「見送り」かどうかを決めるだけ。6つ収録されているお話の中で、「恋愛で死神」が一番せつない。ひどく悲しいし哀しい。それが最後の話にもつながっていて、でも明かされないままのこともあって。読後感が絶妙だな、と思う。この胸に残る感情を、どう表現したらいいのか分からない。「一番最悪なのは」「死なないこと」「長生きすればするほど、周りが死んでいくんだよね。当たり前のことだけど」という一連の台詞が実に重みがあって、人が死ぬということの重たさが染みた。