あなた方はプロレタリア人ですね。働く日本人は貧相で、金持ちは働かずに威張っている。だから労働者は、みんなで力を合わせて金持ちをやっつけなさい
工員
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蟹工船は、小林多喜二による小説。1929年に発表されたこの作品は、プロレタリア文学の代表作であり、国際的な評価も高い。 舞台は、戦前のオホーツク海で行われていた北洋漁業の場。小型船で海に出てタラバガニを漁獲し、すぐに缶詰に加工する仕事をする人々が主人公である。劣悪な労働状況に耐えかねて、労働者はストライキを起こすが失敗してしまい、再度ストライキに踏み切る…というストーリーである。 これまで舞台化や映像化などがされてきたが、2007年から再び脚光を浴びはじめる。2007年には読書感想文コンテストが開催され、小説ではなく漫画版の感想文でも受け付けられたほか、インターネットカフェからの応募部門も設けられた。特に若年層に支持されており、新潮文庫から出版された文庫版が異例の大ヒットを記録。同年の新語・流行語大賞では作品タイトルがトップ10にランクインした。2009年には若手人気俳優を多く起用した、映画化作品が公開された。
缶詰に加工設備を持つ船の中で、オホーツクの海で取れたタラバ蟹をその場で缶詰に加工するという蟹工船を舞台にした作品です。人権など無いような環境で、病気や過労で倒れていく同僚を横目に手を動かしていた労働者達が、権利を求め何度もストライキを起こします。いまでは想像も付かないような劣悪な環境で、年端も行かない子供が働くという時代。読んでいてモヤモヤするような描画もあり、また自分が恵まれた時代に生まれたとも感じました。2009年にも映画化されていて、有名な作品ではありますが、古い作品のため文体も最近のものと比べると読みづらいと感じますが、読んで損のない作品だと思っています。
工員
工場法の適用もなく、重労働が課せられていた工員たちを一斉に励ますシーン
工員
無理矢理に重労働が課せられて、あまりの厳しさに死人がでるほどであった。自由を求めるために監督たちに対して反逆を決起させる