直筆で読む「人間失格」の評価
直筆で読む「人間失格」についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
直筆で読む「人間失格」の感想
読もうと思ったきっかけ
この本を読もうと思ったきっかけは、人間失格とはどのような意味で捉えているだろうか?と疑問に感じたからでした。 凶悪犯罪を犯しすような、世間から卑劣な行いをした人間を指すのか、何か憎悪を抱くことが起きてしまった相手を指すのか、あるいは自分を卑下しているのか。しかし読んでみると、どれにも当てはまらないものでした。 物語は、主人公がふとした事がきっかけで手に入れた手記を読むところから始まります。その手記を書いた人物が、自らの生い立ちを振り返り、自分を人間失格と言っているのですが、自らを卑下して言っているわけではないと思われるのです。文中「人間で無くなりました」とは、どういうことなのか。人として生きられなくなったとはどういうことなのか。彼の行動は、周囲から見れば自分を追い詰めているように見えるかも知れないが、一生懸命、今を生きていたようにも思えるのです。ただ、嫌なことは嫌だと素直に言えなかっ...この感想を読む