現代百物語のあらすじ・作品解説
現代百物語は、2009年に角川ホラー文庫から出版された岩井志摩子の怪奇作品である。現代の百物語を集めたものではなく、著者が不可思議に感じたことを怖い話のようにまとめた体験談である。エピソードの大半は、一般の人でも日常的に体験するようなごくはりふれた内容を占めており、登場人物も現代社会に存在するような人だったりする。また実際には起こりえないことを岩井氏の想像力や妄想で膨らませて怪談めいた話に書き下ろしている。心霊的、オカルト的な怪異がほとんどなく、身近でどことなく不気味な内容を読者に不安を与えるような書き方をしているのが特徴。 作品内容は、美しい夜桜の描かれたブローチを作る続けている死刑囚や、原稿をを書こうとしない漫画家志望、デリヘル譲を恐怖させた異様な客、著者にかかってきた秘密集会への誘いの電話などを収録。また百物語なのに全99話で構成されている。理由は、100話収録すると何か怪異が起こるかもしれないからである。シリーズ化されており、この作品の後に5冊執筆している。
現代百物語の評価
現代百物語の感想
百物語…というか、都市伝説的な要素が強め
ぼっけえ、きょうてえの作者だと知り、怖い話が好きなため購入してみました。ものすごく怖いといったものでなく、軽い都市伝説のような実際にいる人を題材にした話。世の中こんなひともいるのか…という驚きと、好奇心、ゾクッとする感じで読めた本です。実際、この作者であれば、もっと違った怖さであると想像していたので、違った路線であれ?と思いましたが、なかなか好きな系統の話ではありました。人から伝わった話の良さが出ていて、そのへんにある都市伝説系の話よりは面白く読むことが出来ました。ただ、ちょっとタイトルが騙しっぽいので、もっと違ったものを付けて欲しかったですね。