赤い指の評価
赤い指についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が5件掲載中です。
各項目の評価分布
赤い指の感想
狂気になった親子愛の行方
親子の愛情ってなんだろう?東野圭吾が直木賞受賞後に、執筆した推理小説です。登場人物には加賀恭一郎が登場し、従弟である松宮からの視点と、息子の殺人を隠ぺいした前原昭夫の視点から描いた作品。罪を犯した者の心理と、それを追いかける刑事の気持ちが交互に描かれており、違った視点からみた人間の心情が細かく書かれています。「赤い指」で一番考えさせられるのが、親子の愛情ってなんだろうか?と言う事です。子供に対する愛情は、深く強い愛情ですが、一歩間違えれば、全てを壊してしまうという事を思い知らされました。しかし、ここで言う子供への愛情は、本物の愛情ではありません。前原昭夫の妻である、八重子が子供の直巳に向けた愛は、間違った愛情だと思うのです。子供を可愛いというのは、自分自身のエゴです。それとは反対に自分よりも子供の成長を望み願い、子供に嫌われようとも勇気を正しい道へと向かわせてやる事こそが、親の義務と愛...この感想を読む