食堂かたつむりの感想/考察/ネタバレ

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小説レビュー数 3,368件

食堂かたつむり

2.752.75
文章力
3.25
ストーリー
2.75
キャラクター
2.50
設定
2.88
演出
2.75
感想数
4
読んだ人
6

食堂かたつむりの感想一覧

小川 糸による小説「食堂かたつむり」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

ふんわりテイストながらもテーマはシビアな料金小説

食材を重んじる心主人公・倫子は料理を神聖なものとして経緯を持って扱っているが、料理作中においてその敬意は調理工程と完成品だけでなく、食材にも払われている。食事をすることは命をいただくこと、とは筆者も小学生の時に何度も聞かされたことだが、本書では改めて主人公がそのことに向き合っている。畑から取れた赤カブの味が個体によって違う、と主人公が体感する場面がある。個体差があるということは、それが機械的でない、人間のように不規則な存在であることを意味している。つまり、食肉用の動物だけでなく、野菜にも命のようなものがあり、私たちはそれをいただいている、ということなのだ。その野菜を育てている人物も作中に登場する。これはただ単に物語の展開を広げるという役割だけでなく、料理が完成するまでの過程として描いている。料理人だけでなく、食材の命とそれを育てる人や自然、それらのすべてが一皿の料理を完成させるのに必要...この感想を読む

3.53.5
  • めるりんめるりん
  • 317view
  • 2286文字

支離滅裂! 思い付きで色々盛り込んだら結果的に売れてしまった雑な作品

おしゃれっぽいけど全てが雑!本作は、一人の若い女性が恋を失い、声を失い、全財産も失い、起死回生の食堂で成功し、確執があった母とも和解する、というサクセスストーリーに見える。しかしはたしてそうだろうか?本当にこれでいいのか、という設定や展開が多数あるし、ストーリーのアウトラインとは別に主人公は感情に欠陥があるのではないか、という描写が目立つ。それが意図的にそう見せているのなら、その欠陥を乗り越えて自分の道を切り開いていく、という話にも見えるがおそらくだが作者の文章力や構成力の欠如によってそう見えているのだと思う。単に雑な作品と言ってもいい。以下で具体的に掘り下げよう。 支離滅裂ポイント1:声が出ないことに意味が無い!愛も金もお気に入りの調理器具も、全てを一夜にして無くして、そのショックで言葉まで失った、という展開は主人公の悲劇性を盛り上げようとするものなのだろうが、実際の文章ではショック...この感想を読む

1.51.5
  • ゆっきーmk-2ゆっきーmk-2
  • 343view
  • 4776文字

好き嫌いが激しく分かれそうな、メルヘン小説?

好き嫌いが、激しく分かれそうな小説だと思いました。お金を稼ぐために、食堂を作ったのに、それが一日一組限定では、全く稼ぎにならないと思います。おかんが、水鉄砲で妊娠した、という話は、どうやら嘘みだいだが、もっともらしく書いていて、そして真相は語られない…子供の立場としては、それで納得できるとは到底思えないです。出てくる料理が、イマイチ美味しそうに思えない…例えば、フルーツサンドは、焼き立てのパンではなく、1日置いた状態のパンを使うべきです。そして、豚のエルメスをペットとして育てておきながら、なぜ食べる??解体・調理の過程が、あまりにも細か過ぎて、かなりエグイです。など、もっと突っ込み所が満載で、読んで、イライラします。表紙は、温かく、メルヘンで、かわいらしいお話を想像させるのに、この落差は…という感じです。きっと、好きな人にとっては、こういうのもありなのかな…という希望を込めて、★2つです。この感想を読む

2.02.0
  • ぱきらぱきら
  • 313view
  • 400文字

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