持たざる者は、救われる。
気づけば横たわる、心と体のスピードの齟齬人間は変わる。自分というものはいつの間にか変容し、鏡をふと見た時に「あれ、前より額が広く?」「あら、ほうれい線が深い・・・?」と気付く。しかしながらこんなのはあくまでも主観的な視線だからまだまだ修正の余地はあって「いや、別に禿げてない。禿げてない」「ちょっとえくぼが深い。いつもよりえくぼが」みたいな暗示を自分にかければなんとかやっていける。本当に恐ろしいのは主観ではどうにも改変できないもので、変容を逃れようがない形で突きつけるのはいつも自分の内部ではなく外部の他者だ。だからなのか、あまり他人と関わらない人はいつまでも若々しかったり、幼稚であったりする。個人的なもののようで実は自分で決められないという意味で他者で外部なのが年齢だ。負うのは自分でも、認識させるのは実感ではなく無慈悲な数字で、自分ではまだ20歳の若造のつもりでいたら数字は実感のはるか遠...この感想を読む
4.04.0
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